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第35話

35話 開戦のきざし、ジュビルの妖術ようじゅつ


 タガーイ国はおだやかな日常が続いていた。

 しかし遠くジュビルがひそむ森では、暗い影がただよっている。

 ジュビルは力を求めて、禁断の妖術ようじゅつを使ってアンデッドの軍団を呼び起こした。

 その目的はタガーイ国の支配だった。


★★★★


 夜が訪れた頃、ジュビルの軍勢がタガーイ国の境界に迫っていた。

 兵士達は、かつての戦士達の姿を持ちながらも、冷たい目を光らせて無表情で進軍している。

 彼らは妖術ようじゅつによって黄泉よみがえらされたアンデッド達であり、恐怖の象徴だった。


「敵が来るぞ!」


 タガーイ国の見張りが叫んだ。


 村人達は恐怖におびえて、家の中に隠れた。


★★★★


 デル国王は急いで城に集まった、各隊長達に命じた。


「戦の準備をしろ! われわれはこの国を守らなければならない!」


 しかし、タガーイ国の兵士達が集結する間にも、ジュビルの軍勢は着々と侵攻を進めていた。

 彼らの先頭には恐ろしい顔をしたアンデッドの指揮官しきかんが進軍を促している。

 冷たい笑みを浮かべながら、指揮官しきかんは自らの軍勢を鼓舞こぶする。


われわれは死なず、この地を征服する! タガーイ国の者達には、恐怖を味あわせてる!」


 指揮官しきかんの声は、まるで氷のように冷たくひびき渡った。

 タガーイ国の兵士達は、国王の勅令ちょくれいを受けて、武器を手に取り、戦闘の準備を整えた。

 彼らの心には、故郷を守る強い意志が宿っていた。


★★★★


 タガーイ国のアサシンが俺達のところに訪れ、進軍が開始されたと報告を受けた。

 俺達は急いで準備を整えて、戦う覚悟を決め、タガーイ国へと向かった。


「俺達もタガーイ国を守るぞ! ルノーン界をみんなの力で守るんだ」


 仲間達に向かって俺は叫んだ。


「ジュビルの軍勢に立ち向かうぞ!」


 タクマにいが続けて言った。

 だが、ジュビルの軍勢の進行は、思っていた以上に早かった。


「連携を大切にして、連合部隊の力を合わせて戦うぞ! バート、タクマ」


 そして、俺達アサシン連合部隊の戦闘も開始された。


★★★★


 ジュビルのアンデッド軍団がタガーイ国の境界を越えて、無数の冷たい手で押し寄せてくる。

 タガーイ国の兵士達は、恐怖に満ちた目でその光景を見つめたが、決して後退することはなかった。

 俺は雷の呪力じゅりょくを感じ取り、仲間達と共に前に出る。


雷撃らいげき、俺に力を与えよ!」


 俺の周りに雷のエネルギーが集まり、稲妻が走った。

 俺は、その力を解き放ち、前方の敵に向けて雷刃らいじんを放った。


「いけ!」


 タクマにいの号令に、仲間達と共に敵に突撃を開始した。

 彼らは一斉に攻撃を仕掛け、タクマにい達の部隊もアンデッド達との激しい戦闘が始まった。

 俺は仲間達と連携しながら雷の力を使い、次々と敵を打ち倒していく。

 しかし、ジュビルの軍勢は決して弱くはなかった。

 アンデッド達は傷を受けても、なお立ち上がり、容赦ようしゃなく攻撃を続けてくる。


「こいつら、しぶとい!」


 タクマにい炎刃えんじんを振り回しながら叫んだ。


「だが、諦めるわけにはいかないぞ! タクマ、バート」


 仲間達の声にはげまされて、俺はさらに力を込めた。


いかづちたて 俺達の身を守れ!」


 俺は防御を固めながら反撃のチャンスを伺った。

 周囲には稲妻が走り仲間達の士気も高まっていく。

 戦闘は熾烈しれつきわめ、タガーイ国の兵士達は必死に立ち向かっている。

 俺は自分の力を信じて、この仲間達と共に最後まで戦う覚悟を決めた。

 俺の心には、ルノーン界を守るための強い意志が宿っていた。


「この戦い、絶対に勝つ!」


 俺は叫び、仲間達と共に前へ進んでいった。



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