よくあるクズ王太子と能天気令嬢の浮気による婚約破棄ざまぁものかと思いきや、本作はちょっぴりダークで意外などんでん返しの結末となり、普通の婚約破棄ものとは一線を画しています。
本作の主人公ミレイユのお父さんは、ほっぺプルプルで一見のほほんとしていてかわいいのですが、やる時はやる、しごできお父さんです。このお父さんが実は隠れたヒーローで本作の肝だと思います。私の一番の推しです。本来の姿を隠しているがために愛情が娘にも読者にも伝わらないところもなきにしもあらずですが、ちゃんと娘を愛していて行動にも移したのがさすがです。
でも異世界恋愛らしく、ちゃんとミレイユの婚約の行く末も描かれています。なので、彼女の新しい恋の予感にほっとしてちょっぴり胸がキュンとしました。彼女の愛の幸先やミレイユパパの暗躍も、もうちょっと読みたいなと思いました。