麻衣が勝則をお嬢様抱っこをしてテーブルに来て、勝則を椅子に座らせた。
「ほんとに言った通りになったわ」と真知子。「あなたたち、予知能力があるの?」
「何の話?」と麻衣。
真知子が伽耶と沙耶と話したことを説明した。
「母さん、伽耶と沙耶の知能指数を知ってるでしょ」と麻衣。「この子たちは人の考えてることなんてほとんどお見通しよ。私たちの会話の内容もかなり推測できるはずよ。」
「そうなの?すごいわ、あなたたち」と真知子。「学校の成績がいいだけじゃないのね。」
伽耶と沙耶は何も答えず、沙耶が勝則の額に手をあてた。
「お兄ちゃん、私たちはお兄ちゃんの決めたことに従うから、正直に話して」と伽耶が勝則の手の甲に手を乗せた。
「ありがとう」と勝則。
「何があってもお兄ちゃんのそばにいるから、心配しないで」と沙耶。
「家に帰ろう」と勝則。
「わかったわ」と伽耶。
「あとは私たちに任せて」と沙耶。
伽耶と沙耶は麻衣の顔を見た。
「私が父さんと話すわ」と麻衣。「あなたたちも手伝うのよ。」