ラダニアン王国で話題の喫茶店「雪の庭」に、一通の華やかな書状が届く。それは、ある貴族からのお茶会貸切の依頼だった。
「10名程度で3時間。いつもの営業より楽そうだし、いいわね。」
普段の気まぐれな営業スタイルとは異なり、雪乃は珍しく承諾することに。
しかし――。
王国貴族の優雅なお茶会に付き合うのは、想像以上に大変だった!上品で洗練された振る舞いに加え、何かと注文の多い貴族たち。
「これは、全然楽じゃない!」と内心で叫びながらも、雪乃は表面上は微笑みを崩さず、3時間の貸切を何とか乗り切る。
しかし、体力的にも精神的にも疲労困憊した彼女は心に誓う。
「もう二度と貴族の貸切なんて受けないわ。」
ところが数日後、驚きの事態が起こる。
そのお茶会に参加していた貴族の一人から、まさかの求婚の申し出が――!
「えっ……どうしてそうなるの!?」
静かな午後を夢見る雪乃の喫茶店ライフに、新たな波乱が訪れる。果たして彼女はどう応じるのか?
さらに、雪乃に寄せられる想いの裏に隠された“意図”とは……?
次回、『気まぐれ喫茶店と貴族のお茶会』
気まぐれ店主が見た、貴族社会の華やかで厄介な一面。そして芽生え始める、微妙なロマンスの予感――。