店内で第一王子を見つけた花が、不思議そうに尋ねる。
「ねぇ、あれは誰?」
月が笑いながら答える。
「花、あれはこの国の第一王子よ。」
花は驚いて目を丸くする。
「王子がどうしてこんな庶民的な喫茶店に?」
月はいたずらっぽく微笑んで言う。
「私たち、一応王女でしょ?でも、それは内緒だから、この店は外から見ると普通の喫茶店ってことになってるの。」
花は納得しながらも、さらに首をかしげる。
「じゃあ、どうして王子がここに?」
月が意味深に微笑みながら雪乃を見て言う。
「あれは、雪姉様が目当てなのよ。」
花は目を輝かせて「へぇー?」と興味津々。
雪乃は顔を赤らめながら否定する。
「ちょ、ちょっと!月、変なこと言わないで!」
そのやり取りを見ていたクラリスが弥生に小声で尋ねる。
「第7王女の花姫様?それじゃ雪乃様や月様は?」
弥生が少し困ったような表情で答える。
「雪姫様は第3王女、月姫様は第5王女です。」
セリーヌも興味津々で加わる。
「姫様たちは何人姉妹なのですか?」
弥生が微笑みながら答える。
「7人姉妹です。花姫様が一番末の姫様です。」
クラリスとセリーヌは驚いた表情を見合わせながらも、納得したように頷いた。
その様子を見ていた忍がポツリと呟く。
「あとの4人の姫様たちが押しかけてきたりしませんよね?」
弥生が力なく笑いながら答える。
「しないと思いたい……。」
その場の空気が一瞬ピリッとする中、月が明るく笑いながら言う。
「さぁ、次の新作スイーツを準備しましょうか!雪姉様も花も楽しみにしてるわよ。」
雪乃は溜め息をつきながら言う。
「本当にこの店、大丈夫なのかしら……。」
次回、「ミルクセーキとバナナパウンドケーキ」。予想外の展開が待ち受ける!