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第23話フルーツサンドとパンの耳チョコレートラスク1:開店前




月の庭が新しい一日を迎えるための準備が整いつつある早朝。いつも通り月が厨房に立ち、翌日のスイーツを考えながら作業を進めている。


「明日のスイーツはフルーツサンドにします。」

月が作業台に並べられた材料を見つめながら宣言する。


雪乃がのんびりと紅茶を飲みながら、ちらりと月を見た。

「月、パンの耳がたくさん残ってるけど、どうするの?」

「え?どういうことです雪姉様?」

月は振り返り、パンの耳が入ったボウルを見つめる。


雪乃は優雅にカップを置きながら軽くため息をついた。

「捨てたりしないわよね?」

「捨てるなんて、そんなことは……でも、使い道がないのでは?」


雪乃は少し微笑みながら立ち上がり、ボウルを手に取った。

「これでスイーツをもう一品作るわ。」

「え?パン耳で?そんなの、お客様に出せるスイーツになるの?」

月は少し不安そうな表情を浮かべた。


雪乃はキッチンに立つと、手際よく作業を始めた。

「月、あなた、まだまだね。見てて。」


まず、パンの耳を適当なサイズにカットし、ボウルにチョコレートとバターを溶かして混ぜ合わせた。カットしたパンの耳をチョコレート液に絡め、トレイに並べてオーブンで焼き上げる。しばらくして、キッチン中に甘い香りが漂い始めた。


「はい、パンの耳チョコレートラスク。」

雪乃が焼き上がったばかりのラスクを月の前に差し出す。キラキラと輝くチョコレートコーティングが高級感を醸し出していた。


月は驚きの表情を浮かべながら一口かじる。

「すごい……パンの耳なのに、高級感あふれるスイーツに……雪姉様、本当にすごいです。」


雪乃は微笑みながら肩をすくめる。

「そんなことはないわ。あなたの腕は確かよ。足りないのは、創意、工夫、そしてアイデアだけよ。」


月はその言葉に頷きながらも、再び驚きの眼差しを雪乃に向けた。

「雪姉様の創意工夫には、本当に敵いません……。」


雪乃はテーブルに座り直しながら、軽く笑って言った。

「明日のスイーツは、フルーツサンドにパンの耳チョコレートラスクを添えてよ。」


その後、月はフルーツサンドの試作を進めながら、雪乃のアイデアに感心し続けた。厨房の中には甘い香りと、姉妹の和やかな会話が広がっていた。



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フルーツサンドのレシピ


1. 食パンの耳を切り落とす。



2. 生クリームを泡立て、砂糖を加えて甘さを調整する。



3. イチゴやキウイ、バナナなどのフルーツをスライスする。



4. パンに生クリームを塗り、フルーツを挟んで形を整える。



5. 冷蔵庫で30分ほど冷やして完成。




パンの耳チョコレートラスクのレシピ


1. パンの耳を適当な大きさにカットする。



2. チョコレートとバターを湯せんで溶かし、混ぜ合わせる。



3. パンの耳をチョコレート液に絡め、トレイに並べる。



4. オーブンで180℃で15分ほど焼き上げる。



5. 冷ましてから皿に盛り付けて完成。




明日に向けて準備は完璧。月の庭はまた新たな魅力を引っ提げて、開店の時を待つのだった。



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