「ホッホホホホホ……ホッ、ゲッホ、ゲッホ……!」
豪快な笑い声を響かせたかと思えば、突然咳き込む女性――壱姫が姿を現す。
「姫、無理をなさらないでください。」
近くに控えていた侍女が慌てて声をかける。
壱姫は咳を落ち着けると、堂々とした口調で言った。
「ごほん……妾が噂の壱姫じゃ。ヴィクトリア、よく帰ったな。」
ヴィクトリアは深々と頭を下げる。
「はっ、永きにわたり留守をしました。」
壱姫は満足げに頷きながら、肩に止まった黄色い小鳥に視線を向けた。
「妾が命じたことだ……ところで面白いものを持ち帰ったな。」
ヴィクトリアは少し戸惑いながら答える。
「こ、この子は、はなぴよさんといいます。」
壱姫は目を細め、小鳥をじっと見つめる。
「ふむ……ぴよぴよの新型か?お前の妹といったところか?」
そう言いながら、椅子の背もたれに止まっている猛禽類の鳥――ないとほーくに話しかける。ないとほーくは鋭い目を光らせながら静かにその場を見守っている。
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次回:壱姉の登場 ヴィクトリアの帰還
壱姫が遂に動き出す。彼女の目的とは何か?
新たな展開が雪の庭を揺るがす――。
**次回、第32話『壱姉の登場 ヴィクトリアの帰還じゃ!』**お楽しみに!