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第13話

 古代遺跡での出来事から数ヶ月後、ミライたちは王都アストライアへと帰還した。彼らは、未開の地で得た貴重な情報と、古代文明からの警告を王に報告した。王は、ミライたちの功績を称え、彼らに深い感謝の意を表した。


ミライが持ち帰った古代文明のメッセージは、王国全体に広められた。人々は、過去の過ちから学び、自然との調和を大切にすること、そして、互いを尊重し、争いを避けることの重要性を改めて認識した。


王国の各地では、自然保護のための活動が活発になり、人々は持続可能な生活様式を模索し始めた。また、教育機関では、古代文明の歴史や教訓を学ぶ授業が導入され、若い世代への教育にも力が入れられるようになった。


ミライは、以前と変わらず、王宮で王の補佐を務めていた。彼女は、未開の地で得た経験と知識を活かし、王国の政策に貢献していた。特に、自然環境保護や教育分野での貢献は大きく、王国の発展に大きく貢献していた。


ガイは、王宮騎士団の団長として、王都の警備と王国の防衛に尽力していた。彼は、ミライの活動を陰ながら支え、彼女が困った時にはいつでも相談に乗っていた。二人の間には、以前と変わらず、強い信頼関係が築かれていた。


リリアンは、神殿に戻り、以前と変わらず、人々のために奉仕活動を続けていた。彼女は、未開の地での経験を通して、さらに成長し、多くの人々から尊敬される存在となっていた。


しかし、平穏な日々は長くは続かなかった。ある日、王宮に不穏な知らせが届いた。王国の各地で、奇妙な現象が発生しているという報告が相次いでいたのだ。


ある村では、作物が急に枯れ始め、村人たちは食糧不足に苦しんでいた。また、別の村では、動物たちが凶暴化し、人々を襲うようになった。さらに、ある地域では、原因不明の地震が頻発し、人々は不安な日々を送っていた。


これらの現象は、古代遺跡で起きていた現象と酷似していた。ミライは、古代文明が残した力の残滓が、再び活動を始めたのではないかと懸念した。


王は、ミライに、これらの現象の原因を調査するように命じた。ミライは、再び旅に出ることを決意した。今度は、王国全体を巡り、各地で起きている現象を調査しなければならない。


ミライは、ガイとリリアンに、今回の調査について話した。二人は、ミライの決意を尊重し、彼女に同行することを申し出た。


「ミライ、また危険な旅になるかもしれない。だが、私たちはいつも一緒だ。」


ガイは、力強く言った。


「ミライ、私もあなたの力になりたい。未開の地での経験は、きっと役に立つはずだわ。」


リリアンも、真剣な表情で言った。


ミライは、二人の言葉に感謝し、共に旅に出ることを承諾した。彼らは、再び力を合わせ、新たな脅威に立ち向かうことを決意した。


出発の日、王都の城門には、王をはじめ、多くの人々が集まっていた。彼らは、ミライたちの安全を祈り、彼らの帰りを待つことを約束した。


ミライたちは、王都を後にし、各地で起きている奇妙な現象の調査を開始した。彼らは、各地の村を訪れ、村人たちから話を聞き、現象が起きている場所を調査した。


調査を進めるうちに、ミライたちは、ある共通点に気づいた。各地で起きている現象は、特定の場所に集中しており、その場所は、古代文明がかつて活動していた地域と重なっていたのだ。


ミライは、やはり古代文明の力が関係していると確信した。しかし、今回は、遺跡で起きていたような局地的な現象ではなく、王国全体に影響を及ぼす、より大規模な現象だった。


彼らは、現象が最も深刻な地域へと向かった。そこは、深い森の中に位置する、かつて古代文明の重要な拠点があった場所だった。


森の中に足を踏み入れると、周囲の空気が重く、不気味な静けさに包まれていた。植物は枯れ、動物の姿も見られなかった。まるで、死の世界に迷い込んだかのような、異様な光景だった。


ミライたちは、警戒しながら森の奥へと進んでいった。すると、彼らの前に、巨大な穴が現れた。その穴は、地底深くまで続いており、底が見えないほど深かった。


穴の底からは、不気味なオーラが立ち上っており、周囲の空間を歪めていた。ミライは、そのオーラから、古代文明の力の残滓とは異なる、全く新しい、そして、より強大な力の気配を感じ取った。


それは、これまでミライたちが経験したことのない、未知の力だった。その力の正体は、一体何なのか?そして、それは、王国にどのような影響を及ぼすのか?ミライたちの新たな戦いが、今、始まろうとしていた。




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