そして、次の日、父と共にギルド本部を訪れた。ギルドの受付のお姉さんがえちえちな格好だった。この世界の女性は肌を露出することに抵抗がないのだろうか。俺みたいな男にとっては嬉しい世界だ。いかんいかん、ギルドにクイナの森のことを報告しないと…。
「すみません。クイナの森に出現する魔物のレベルが異常です。これはどういうことですか?」
「他の冒険者からも同じような報告を受けています。」
「そうですか。一体何が起こってるんですか? やはり魔族の仕業ですか?」
「詳細は現在調査中ですが、おっしゃる通り、おそらく魔族の仕業かと思われます。」
話していると、誰かが声をかけてきた。
「ああ、ヴェスじゃない?」
「もしかして、レティ?」
「そうだよ、レティシアだよ。久しぶりだね。」
「ヴェス君、昔、妹が色々お世話になったね。ヴェス君、少し大人の男に近づいた感じがするよ。」
「は、はい。」
「もう~セティ姉~私が話してるんだから!」
「あ、ごめんごめん!」
「レティは、ヴェス君のこと好きだったもんね!」
「あーセティ姉、それは言わない約束でしょ!」
「あ、ごめんごめん。」
「恥ずかしいじゃない…。」
「で、何でここにいるんだっけ?」
「クイナの森の魔物の強さが異常で、報告に来たんだよ。」
「そうだったんだ。こっちもロマリア遺跡の魔物の数が異常でさ…。」
「やっぱり魔族の仕業なのかな?」
「そうかもね。」
「じゃあ、この後、お姉と買い出しに行くから、またねー。」
「久しぶりにヴェスに会えてよかったよ。またね。」
「うん、またね。」
「あーヴェスったら、姉という存在がいるのに、レティちゃんに見とれてたでしょう!」
「嫉妬しちゃうなぁ…。まぁでも、ヴェスはみんなのものだし、私は2番目でもいいよ! 2番目でもいいから私を愛してね。」
本当に困ったブラコン姉だ…。ただ、兄弟として、人生の先輩として、姉のことは好きだし尊敬してるから、嫌いになることはない。この家にいる間は仲良くしたいと思ってる。ただ、最近本当に距離が近いんだよな。
それよりも、意外な人物との再会に驚いた。当たり前だけど、セティが大きくなっていて、それがびっくりしたんだ。そう思いながら、ギルドを後にした。
帰ってから、俺は姉に教えてもらいながら、草銃を中心に今まで以上に猛特訓をしていた。なぜかと言えば、俺の銃の熟練度じゃまだ強力な魔物に太刀打ちできないからだ。
父の召喚魔法に頼りっきりなのは悔しかった。いくら父が偉大で、俺より何十年も先に生まれ、召喚魔法も使えて銃の技術も素晴らしいとしても、悔しいものは悔しかった。
前世ではあまり悔しいと思うことはなかったけど、この人生では、誰と比べても自分より強い相手がいると悔しくて、もっと強くなりたいと思ってしまう。もちろん、姉に対してもだ。魔法が使えない分、姉や父を超えたいという気持ちが日に日に強くなっていた。