今日は寝坊してしまい、魔法学校に遅刻しそうだったので、走っていくと、誰かにぶつかった。誰なんだ、こんな時にと思ったが、それは隣町の肉屋のギャルだった。
「あー、銃使いのヴェス君だ。久しぶりだね~。」
「はい、久しぶりです。って、遅刻しますよ。」
「そうだね。一緒に走ろっか。」
「はい。」
と、数十分走ったが、普通に間に合わなかった。
「講義に間に合わなかったし、私とデートしようよ~。」
「でも…。」
俺は少し迷ったが、ギャルのお姉さんに手を引かれ、プチデートみたいなものに行く羽目になった。行く羽目とは言ったものの、悪い気分ではなかった。
「そうだ。名前言ってなかったね。私の名前はアヤメだよ。今日はよろしくね、ヴェス君! 私の周りにはいないタイプだけど、本当に優しそうで可愛くて、抱きしめたくなっちゃうね。」
「はい、お願いします。」
「ところで、どこに行くんですか?」
「それは行ってからのお楽しみだよ。」
まずは屋台通りを歩いた。屋台通りに近づく前からものすごくいい匂いがしていた。色々な匂いが混ざり合って、鼻が幸せな気分になった。そのうえ隣にはギャルのお姉さんがいる。本当に幸せな気分になった。食べ物は色々なものがあった。特に気になったのは、ブルーホーンの肉を油で揚げたものだ。香ばしい匂いが漂う。どうやらアヤメさんも気になってるようだ。
「この町の屋台、すごいでしょ?」
「はい!」
「休みの日は結構カップル多いんだよ。私たちもカップルって感じだね。」
「はい…。」
いきなりデートに連れられて戸惑ってしまったが、そんなこと言われると照れてしまう。そして、アヤメさんは色々なものを俺に食べさせてくれた。
「そうだー。ヴェス君、これも食べよう。ブルーホーンの肉を揚げたやつ!」
「はい! 僕もこれ気になってました。」
「私もこれ食べたいと思ってたんだ! もしかして、私たち気が合うのかもね。」
「は、はい…。」
「なんで顔真っ赤にしてるの? 可愛いね。そんな可愛いヴェス君には私が食べさせてあげる。」
そうして、俺たちは並んでブルーホーンのから揚げ? を買った。
「あつあつだね。ふーふーして食べさせてあげよっか?」
「いえ、大丈夫です。」
「遠慮しないしない。はいー、あーん。」
「あーん。」
初めて女の子にあーんしてもらった。前世ではこんなことはしていなかった。なぜなら、家でゲームばかりしていたからだ。でも今世では、この年でもう女の子とデートしてる。前世では考えられなかった。本当に嬉しい限りだ。ゲームをするのも楽しかったが、女の子とデートする方が断然楽しかった。
と考えていると、アヤメさんがつぶやいた。
「油で揚げた肉は結構お腹いっぱいになるね。ヴェス君はどう?」
「僕もお腹いっぱいです。」
「じゃあ、別のところ行こっか。」
「はい!」
「どこがいいかな、どこがいいかな」とつぶやいてるアヤメさんが可愛かった。俺とのデートを本当に楽しそうにしてくれてるように見えて、とても嬉しかった。
「そうだ、ルナヴィア川に行きましょう! そうしよう! おー!」
アヤメさんの後に続いて俺も、
「おー!」
と言った。
そして、ルナヴィア川に向かった。