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第15話 デート?

 今日は寝坊してしまい、魔法学校に遅刻しそうだったので、走っていくと、誰かにぶつかった。誰なんだ、こんな時にと思ったが、それは隣町の肉屋のギャルだった。


「あー、銃使いのヴェス君だ。久しぶりだね~。」

「はい、久しぶりです。って、遅刻しますよ。」

「そうだね。一緒に走ろっか。」

「はい。」


と、数十分走ったが、普通に間に合わなかった。


「講義に間に合わなかったし、私とデートしようよ~。」

「でも…。」


俺は少し迷ったが、ギャルのお姉さんに手を引かれ、プチデートみたいなものに行く羽目になった。行く羽目とは言ったものの、悪い気分ではなかった。


「そうだ。名前言ってなかったね。私の名前はアヤメだよ。今日はよろしくね、ヴェス君! 私の周りにはいないタイプだけど、本当に優しそうで可愛くて、抱きしめたくなっちゃうね。」

「はい、お願いします。」

「ところで、どこに行くんですか?」

「それは行ってからのお楽しみだよ。」


まずは屋台通りを歩いた。屋台通りに近づく前からものすごくいい匂いがしていた。色々な匂いが混ざり合って、鼻が幸せな気分になった。そのうえ隣にはギャルのお姉さんがいる。本当に幸せな気分になった。食べ物は色々なものがあった。特に気になったのは、ブルーホーンの肉を油で揚げたものだ。香ばしい匂いが漂う。どうやらアヤメさんも気になってるようだ。


「この町の屋台、すごいでしょ?」

「はい!」

「休みの日は結構カップル多いんだよ。私たちもカップルって感じだね。」

「はい…。」


いきなりデートに連れられて戸惑ってしまったが、そんなこと言われると照れてしまう。そして、アヤメさんは色々なものを俺に食べさせてくれた。


「そうだー。ヴェス君、これも食べよう。ブルーホーンの肉を揚げたやつ!」

「はい! 僕もこれ気になってました。」

「私もこれ食べたいと思ってたんだ! もしかして、私たち気が合うのかもね。」

「は、はい…。」

「なんで顔真っ赤にしてるの? 可愛いね。そんな可愛いヴェス君には私が食べさせてあげる。」


そうして、俺たちは並んでブルーホーンのから揚げ? を買った。


「あつあつだね。ふーふーして食べさせてあげよっか?」

「いえ、大丈夫です。」

「遠慮しないしない。はいー、あーん。」

「あーん。」


初めて女の子にあーんしてもらった。前世ではこんなことはしていなかった。なぜなら、家でゲームばかりしていたからだ。でも今世では、この年でもう女の子とデートしてる。前世では考えられなかった。本当に嬉しい限りだ。ゲームをするのも楽しかったが、女の子とデートする方が断然楽しかった。


と考えていると、アヤメさんがつぶやいた。

「油で揚げた肉は結構お腹いっぱいになるね。ヴェス君はどう?」

「僕もお腹いっぱいです。」

「じゃあ、別のところ行こっか。」

「はい!」


「どこがいいかな、どこがいいかな」とつぶやいてるアヤメさんが可愛かった。俺とのデートを本当に楽しそうにしてくれてるように見えて、とても嬉しかった。


「そうだ、ルナヴィア川に行きましょう! そうしよう! おー!」

アヤメさんの後に続いて俺も、

「おー!」


と言った。

そして、ルナヴィア川に向かった。

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