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第17話 高すぎる商品

 夕陽が校舎の大賢神像に照らされる頃、今日は帰りに父親の知り合いのおじさんのガンショップに寄ってみようと思いついたので、魔法学校の帰りに早速行ってみることにした。


 ドアを開けるとカランと音がした。ドアに鈴のようなものがついてる。あれ、前はついてたっけ? と思いながらお店に入った。


「おじさん、今日は魔法弾でいいのは入ってる?」

「おう、ヴェスじゃねぇか。いいのは入ってるよ。テンペスト弾だ。ちょっぴり値段は張るんだが、いい商品だぞ。」

「50万ゴールドか…。とても高くて買えないよ。」

「一発50万じゃねぇよ。セットで50万ゴールドだぞ。」

「1発50万とかどこの上級貴族だよ! セットでも高いって。」

「そっか。じゃあ、また貯めてから来なよ。ヴェスならちょっとは割引してやるぜ。」


「分かった。他には入ってない?」

「新作のスナイパーなんてどうだ?」

「その名もSVDK。」

「値段は55万ゴールドだ。」

「また検討します。」


「魔法弾薬は何がある?」

「ブラッド弾ってどうだ?」

「これは実践向きってわけじゃないが、撃った敵の血を好きな色に変えられるらしい。」

「え? それってどういう仕組みなの?」

「俺も仕組みは分からんが、一色だけに変えられる弾丸と、弾丸セット1つで色々設定して複数の色に変えられる弾丸セットがあるぞ。色は紫、青、赤、緑、黄緑、黄色、黒、オレンジ、白、金、銀、七色、ランダム色の13種類だ。どうだ? 買うか?」


 七色とランダム色って何だ? と思ったけど、突っ込まないことにした。


「七色ってのは、12種類の色が順番に変わっていく方式だ。そして、ランダム色ってのは、撃って血が出るたびに色が変わるんだ。値段は255万ゴールドのところを、今回だけセールで222万ゴールドです! それだけじゃありません。弾丸の収納に使える弾丸ストレージもセットで、お値段そのまま222万ゴールドです。どうだ? 買うか?」


 七色とかランダムとか聞いてないよと思いながら、前世のテレビショッピングの「ジャパ〇ットたか〇」を見てるみたいで笑いそうになった。


「高すぎるよ…。実践向きじゃない弾丸にそんなに出せないよ。」

「まぁ、そうだよな。でも、これはすごい発明らしいぞ。」

「そうなんだ…。もっと値段が下がって手軽に買えるようになったら買うことにするよ。」


「そうか。分かった。学校はどうだ?」

「いろんな人がいるし、勉強が楽しいよ。」

「そうか。それは良かったな。」

「うん。」

「ちなみにだが、彼女はいるのか?」

「い、いないよ。」

「おじさんも昔は恋をしたもんだ。ヴェスも修行に勉強に遊びに恋に頑張るんだよ。そうすれば、天国の父さんも喜ぶぞ。」

「うん!」


 そうか、そういえばもうすぐ父親の命日だ。命日には酒でも墓にかけてあげよう。



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