王宮の広間は、煌びやかな装飾と鮮やかな灯りで輝いていた。舞踏会が始まり、貴族たちは華やかな衣装に身を包み、談笑や踊りを楽しんでいる。その中に紛れ込んだステラは、鮮やかな青のドレスを身にまとい、堂々とした態度で周囲を見回していた。
「えらい豪勢やなぁ。これが王宮の舞踏会っちゅうもんか。」
彼女は飴を口に放り込みながら小さく呟いた。隣に立つエリオットが少し緊張した表情で彼女に声をかける。
「ステラ様、本当にここで行動を起こすつもりですか?」
「せや。今が一番ええタイミングや。」
彼女の目はカトリーナを探して鋭く光っていた。そして、ついに会場の中央で、白いドレスを身にまとったカトリーナを見つける。
「いたで、あの女や。」
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カトリーナとの再会
ステラは堂々とカトリーナに近づいていった。カトリーナは彼女に気づくと、最初は驚いた様子を見せたが、すぐに冷笑を浮かべた。
「まぁ、これは驚きですわ。追放された方がこんな場所に現れるなんて。」
「驚かせたんやったら、悪かったな。」
ステラは飴を噛み砕きながら、不敵な笑みを浮かべた。
「せやけど、今日はあんたに会いに来たんや。」
「私に?一体何の御用で?」
カトリーナは周囲の注目が集まっているのを感じながらも、余裕の表情を崩さない。しかし、その笑顔の裏に緊張が隠れていることを、ステラは見抜いていた。
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証拠の提示
「まぁ、簡単な話や。」
ステラは懐から小瓶を取り出し、高く掲げた。その瞬間、周囲のざわめきが広がる。
「これは何かご存知か?」
カトリーナの顔が一瞬だけ強張る。その変化を見逃さず、ステラは続けた。
「この小瓶、中身は何やろなぁ?料理の調味料か?それとも、体にええ薬か?」
「…それが何だというのですか?」
カトリーナは平静を装いながら答えた。しかし、その声にはわずかな震えが混じっていた。
「これはな、あんたの部下が運び込んどった物資の中に入っとったもんや。」
その言葉に会場がさらにざわつく。貴族たちは耳を傾け、状況を見守っている。
「この中身が何か、ここでみんなと一緒に確かめてみよか。」
ステラはわざとらしく声を張り上げ、警備兵を呼びつけた。
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王宮の検査
「この小瓶を検査してもらえますか?王宮の皆さんも気になるやろうし。」
警備兵が小瓶を受け取り、魔術師に検査を依頼した。魔術師が詠唱を始めると、周囲の貴族たちは息を呑んでその結果を待つ。
「…これは、毒薬です。」
魔術師がそう告げると、会場全体が驚きの声に包まれた。カトリーナの顔は蒼白になり、その場に立ち尽くしている。
「毒薬やて!あんた、何考えとるんや?」
ステラは鋭い声でカトリーナを問い詰めた。
「違います!それは私のものではありません!」
カトリーナは慌てて弁解するが、周囲の目は冷たく彼女を見つめている。
「ほな、誰のもんなんや?説明してみぃ。」
ステラは一歩前に出て、カトリーナを睨みつけた。その迫力に、カトリーナは言葉を詰まらせる。
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貴族たちの反応
周囲の貴族たちは次々に声を上げ始めた。
「これは一体どういうことだ?」
「カトリーナ様がこんなことを…?」
疑惑の目がカトリーナに向けられる中、ステラはさらに追い詰めるように話を続けた。
「これ以上嘘をつくなら、もっと詳しい証拠も出したるで。」
「何ですって…?」
「ウチ、これだけや思てへんで。あんたのやっとること、全部調べたんや。」
カトリーナはその言葉に怯えたような表情を浮かべ、声を荒げて叫んだ。
「それは嘘よ!私がそんなことをするはずがない!」
しかし、その叫びは周囲の冷たい視線の前に虚しく響くだけだった。
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浪速魂の勝利宣言
ステラは飴を一粒口に放り込み、満足げに笑った。
「ほんま、しょーもないなぁ。あんたみたいな奴がおるから、王宮が腐るんや。」
そして、彼女は堂々と声を張り上げた。
「みんな、この毒薬が証拠や。あとは王宮の判断に任せるけど、ウチは絶対に真実を曲げへん。」
その言葉に、多くの貴族が頷き、カトリーナの周囲から距離を取り始めた。
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新たな展開へ
舞踏会が終わり、王宮を後にしたステラは、エリオットと共に帰路についた。
「今日は大成功やったな。」
「本当に素晴らしい行動力でした、ステラ様。」
「せやけど、これで終わりちゃうで。まだまだやることは山積みや。」
彼女の目にはさらなる挑戦への決意が宿っていた。浪速魂で挑むステラの反撃は、これからさらに加速していくのだった。
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