舞踏会から数日が経過した王宮は、依然としてカトリーナの毒薬事件の噂で持ちきりだった。貴族たちの間では、彼女の陰謀の話題が話され、評判は地に落ちていた。一方、ステラは館で次なる一手を考えていた。
「これでカトリーナも終わりやろか?」
リリィが心配そうに尋ねると、ステラは飴を口に放り込みながら首を横に振った。
「まだや。あの女、こんな程度で引き下がるようなタマちゃう。次の手を考えてくるに決まっとる。」
「ですが、これ以上何かできるのでしょうか?」
「わからんけど、相手が動く前にウチが先手を打たなあかん。」
ステラの表情は決意に満ちていた。彼女はカトリーナを完全に潰すため、さらなる証拠を集める必要があると考えていた。
---
新たな情報の兆し
そんな中、エリオットが王宮から戻ってきた。彼の表情には緊張感が漂っており、ただ事ではないことを知らせていた。
「ステラ様、王宮で新たな動きがありました。」
「どんな動きや?」
「カトリーナがまだ権力を持つ一部の貴族と密かに接触し、反撃の準備を進めているようです。」
「ほぉ、やっぱりやな。」
ステラは椅子に深く座り込み、顎に手を当てて考え込んだ。
「ほんで、どんな手を使うつもりなんや?」
「具体的な計画までは掴めていませんが、彼女が自身の無実を証明するため、何か偽装を行う可能性があります。」
その言葉に、ステラの目が鋭く光る。
「偽装か…。ほんなら、その嘘を暴く準備をせなあかんな。」
---
地方貴族との連携
ステラはすぐに、協力を約束してくれたローレンス男爵のもとを訪れた。彼の邸宅で行われた会談には、他の地方貴族も参加しており、彼らはステラに注目していた。
「皆さん、お集まりいただいておおきに。」
ステラは一礼し、会場の中央に立った。
「ウチがここに来たのは、あのカトリーナの嘘を完全に暴くためや。そして、それを成し遂げるには、皆さんの力が必要や。」
貴族たちは一斉にざわめいた。
「カトリーナの嘘…ですか?」
「舞踏会での一件だけでは不十分だと?」
ステラは頷き、飴を一粒取り出して口に放り込んだ。
「せや。舞踏会で毒薬を暴いたんは、まだ序章や。あの女が王宮で築き上げた腐ったネットワーク、それを全部叩き潰さんと意味がない。」
その言葉に、会場の空気が引き締まった。
「そのためには、あんたらの力が必要や。カトリーナがどこで何を企んでるか、その情報を全部集めてほしいんや。」
貴族たちは顔を見合わせながらも、次第にステラの情熱に引き込まれていった。
「分かりました、ステラ様。我々も協力しましょう。」
ローレンス男爵がそう答えると、他の貴族たちも次々に賛同の声を上げた。
---
カトリーナの動きを封じる計画
館に戻ったステラは、エリオットやリリィと共にカトリーナの動きを封じる計画を練った。
「まず、あの女が使っとるネットワークを断ち切る。それから、ウチが新しい証拠を突きつけて完全に追い詰めるんや。」
「具体的にはどう動けばよろしいでしょうか?」
リリィが尋ねると、ステラは地図を指差しながら説明を始めた。
「王宮内の倉庫を調べるんや。あそこには、あの女が隠し持っとる証拠がまだ眠っとるはずや。」
「ですが、再び王宮に潜入するのは危険です。」
エリオットが心配そうに言うが、ステラは自信たっぷりに笑った。
「大丈夫や。今回もウチがうまいことやったる。浪速魂を見せたるで。」
---
決意の一歩
その夜、ステラは館の窓から満月を見上げながら深呼吸をした。
「ここまで来たんや。絶対に勝ったる。」
彼女の瞳には、揺るぎない決意が宿っていた。すべての準備を整え、カトリーナを完全に追い詰めるための計画が今、動き始めたのだ。
---