村を離れる準備が整い、ステラは旅立ちを前に村の広場に立っていた。穏やかな陽射しの下、村人たちが彼女を見送るために集まっていた。復興と交易路の開拓を成功させた彼女は、もはや「追放された偽聖女」ではなく、村の英雄として人々の心に刻まれていた。
「ほんま、みんなには世話になったわ。おかげでウチも次のステップに進める。」
ステラは手を振りながら飴を一粒口に放り込むと、にっこりと微笑んだ。
「でもな、これで終わりやない。ウチが帰ってくるときには、もっとええ村にしといてな!」
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村人たちの反応
村人たちは感極まった表情で、口々に彼女への感謝を伝えた。
「ステラ様、本当にありがとうございました!あなたがいなければ、この村はどうなっていたことか…。」
「交易路ができてから、生活がずいぶん楽になりました。どうかお気をつけて!」
中には涙を浮かべる者もおり、その光景にステラは少しだけ目頭を熱くしながらも、明るく振る舞った。
「そない泣かんでもええやん。ウチはまた戻ってくるで!それまで元気でな!」
彼女の明るさに、村人たちも自然と笑顔を取り戻した。
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エリオットの提案
その後、ステラとエリオットは村を出て、王宮への道を歩き始めた。長い道中を見据えながら、エリオットが口を開いた。
「ステラ様、改めて確認しますが、本当に王宮に戻るおつもりですね。」
「当たり前やん。カトリーナのあのしょーもない儀式をぶっ潰すためには、ウチが直接動かなあかんやろ。」
「確かにその通りです。ただ、リスクも大きい。王宮に戻れば、追放されたことを理由に捕らえられる可能性もあります。」
エリオットの慎重な意見に、ステラは飴を噛み砕きながら肩をすくめた。
「そんなん気にしとったら何もできへん。せやけど、安心しとき。ウチには浪速魂がある。」
「…浪速魂でどうにかなるものなんでしょうか。」
エリオットが呆れたように呟くと、ステラは声を上げて笑った。
「なるんや!ウチがそう信じとるからな。」
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侍女たちとの合流
旅の途中、ステラたちはエリオットの手配により、王宮から送られてきた侍女たちと合流した。彼女たちは、かつてステラに仕えていた者たちであり、いまだに彼女を慕っていた。
「ステラ様、お久しぶりです。」
「おぉ、懐かしい顔やな。みんな、元気そうで何よりや!」
侍女たちは深々と頭を下げながら、ステラへの忠誠を改めて誓った。
「私たちは、カトリーナ様の陰謀に耐えられず、ずっとお戻りを待っておりました。どうかお力をお貸しください。」
「もちろんや!ほな、みんなで力合わせてカトリーナをやっつけたろやないか。」
侍女たちの瞳には希望が宿り、ステラの周りに自然と結束が生まれた。
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潜入計画の最終確認
侍女たちとの再会を果たしたステラは、エリオットとともに王宮潜入の最終確認を行った。
「まず、ウチらが王宮に潜り込むタイミングは、儀式の準備が整う直前や。」
エリオットが地図を広げながら説明を始めた。
「侍女たちが儀式の準備に携わる間に、私たちは王宮の裏口から潜入します。そこから儀式会場へ向かい、仕掛けを解除するのが第一目標です。」
「そんで、カトリーナの部屋からさらに証拠を集めるんやな。」
「その通りです。証拠が揃えば、儀式中に彼女の陰謀を暴くことができます。」
ステラは地図を指差しながら笑みを浮かべた。
「ええな。これでウチらの勝ち筋が見えたわ。」
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決意の夜
計画を固めた夜、ステラは星空を見上げながら静かに拳を握りしめた。
「ここまで来たんや。もう後には引かれへん。」
エリオットが近づいてきて、彼女に紅茶を差し出した。
「ステラ様、何かお考えですか?」
「ただの独り言や。せやけど、ウチは絶対にこの儀式を成功させる。あいつらに浪速魂の底力を見せたるんや。」
「私も全力でお支えします。」
二人の視線が交わり、その決意がさらに強固なものとなった。
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王宮へ向かう旅立ち
翌朝、ステラたちはついに王宮へ向けて出発した。道中、彼女は侍女たちやエリオットと軽口を交わしながらも、その瞳には鋭い意志が宿っていた。
「カトリーナ、待っときや。ウチが帰ってきたとき、全部終わりにしたるからな。」
飴を口に放り込み、力強く笑みを浮かべたステラ。その後ろ姿を見た侍女たちとエリオットは、静かに彼女についていくのだった。
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