カトリーナの陰謀が暴かれ、追放されたステラの名誉が回復し始めた中、王宮内では新たな緊張が生まれていた。カトリーナは全てを失う寸前であったが、彼女はなおも諦めていなかった。
「まだ終わりじゃない…。」
彼女は独り言を呟きながら、自室で新たな計画を練っていた。
「私がここで敗北するなんて、絶対にありえない。私こそがこの王宮を導く存在なんだから…!」
その瞳には狂気が宿り、机の上に広げられた書類には、彼女が用意した新たな陰謀の計画が記されていた。
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カトリーナの新たな計画
カトリーナが考え出したのは、「儀式の証拠を偽装する」という手法だった。ステラが公開した証拠を偽物だと主張し、それを支持する神官や貴族たちを買収しようと考えたのだ。
「真実なんてどうでもいい。王宮の支配権さえ握れば、全ては私の思い通りになる!」
彼女は手早く手紙を数通書き上げ、それを信頼している部下たちに渡した。
「この内容を各派閥の貴族たちに届けなさい。そして、ステラが持っている証拠が全て捏造だと伝えるのよ。」
部下たちは躊躇いながらも、カトリーナの命令には逆らえず、次々と書状を届けに行った。
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王宮内での混乱
カトリーナの命令を受け取った一部の貴族たちは、すぐに動き出した。彼女の主張を信じる者もいれば、混乱に乗じて自分の地位を守ろうとする者もいた。
「カトリーナ様の言葉が本当なら、ステラ様の証拠は信じられない…?」
「だが、あの証拠は非常に詳細で、簡単に偽造できるものではない。」
王宮内の会話は次第に二分され、ステラを支持する派閥とカトリーナを擁護する派閥の間で緊張が高まった。
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ステラへの挑発
その状況を利用し、カトリーナはステラを直接挑発する手段に出た。彼女は会場に人々を集めさせ、壇上で大々的に主張を始めた。
「皆さま、私はステラが公開した証拠が捏造であることを確信しています。彼女はこの王国を混乱させるために帰還したのです!」
その挑発的な言葉に、会場は再びざわめいた。ステラを信じる者たちが反論を試みる中、カトリーナはさらに言葉を続けた。
「では、どうぞご覧ください。これが私の主張を証明する新たな証拠です。」
彼女は懐から書類を取り出し、それを神官たちに手渡した。その書類には、ステラの証拠が偽物であると「証明」する内容が書かれていた。しかし、その内容は完全に偽造されたものだった。
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ステラの反応
その場にいたステラは、飴を舐めながら静かにカトリーナの主張を聞いていた。
「なんや、また新しい証拠とか言い出したんか?」
エリオットが彼女の耳元で囁く。
「ステラ様、あの書類はどう見ても偽造されたものです。しかし、会場の雰囲気を操作するためには十分な効果を発揮するでしょう。」
「そやな。でも、ウチがここで何もせんかったら、あいつの思うつぼやろ。」
ステラはゆっくりと壇上に歩み寄り、カトリーナの隣に立った。その動きに会場全体の視線が集中した。
「ほな、ウチも一言言わせてもらおか。」
その軽妙な口調に、一瞬ざわついていた会場が静まり返った。
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公開討論の幕開け
「みんな、よう聞いといてや。カトリーナが言うてることも、確かに一理あるかもしれん。でもな、ウチが公開した証拠が偽物やったら、なんであの清浄なる水が光ったんや?」
その一言に、会場の空気が一変した。貴族たちの中からも、次々と疑問の声が上がり始める。
「確かに…あれほどの輝きが出せるのは本物の聖女だけではないのか?」
「では、カトリーナ様の言葉が矛盾しているのでは…?」
カトリーナは焦りながらも反論を試みた。
「それは魔法による偽装よ!彼女は私を陥れるために何でもするつもりなの!」
しかし、ステラは飴を噛み砕きながら、不敵な笑みを浮かべた。
「ほな、その証拠を出してみいや。」
「…!」
カトリーナが言葉を失ったその瞬間、会場全体が彼女に対して冷たい視線を向け始めた。
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次なる一手
ステラは壇上から人々を見渡し、飴をもう一粒口に放り込んだ。
「まあ、次はウチがカトリーナの新しい嘘を暴く番やな。」
その言葉に会場中が息を呑み、次なる展開への期待が高まった。カトリーナの反撃は始まったばかりだったが、ステラの浪速魂が彼女を凌駕していくのは時間の問題のように思われた。
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