駅のホームに私は立ってる。ガタンゴトンと電車が何本も過ぎ去っていくのに、私の心の時間はずっと止まったままだ。私服に着替えもせずに学校の制服のまま、こんな時間までずっと待ってるなんて、本当バカだよね。
――来るなんて見込みないのに、本当私、何してんだろ。
イライラはしないの。学校ではさ、何故か分からないけど感情を表に出さないから『怖い』とか『何考えているのか分からない』なんて言われて敬遠されるの。子供の頃からの事だから、慣れてるっちゃ慣れてるんだけどね。
(少しお腹空いたな……)
指定の鞄なんて守らない私は、背負っている『リュック』から、何かないかな、とガサゴソ手を入れてみる。そんな時、スカートのポケットからスマホのバイブレーションが鳴り響いて、へばりついて違和感を感じる。
(今、それどころじゃないから)
私は今忙しいのよ。ええ、確か朝コンビニで買った飴があるから、それが欲しいの。ほら、よく言うじゃん?疲れた時には『糖分』って……。
心の中で呟きながら、ふと思った事があるんだ。私イライラはしてないけど、疲れてるんだなって……改めて自覚しちゃった。
そりゃそうよね。来るかどうかも分からない待ち人を待ってるんだからさ。ああ、これで何度目な訳?まぁ、付き合っている恋人同士じゃないから、別にいいんだけど。
少し考えてみた妄想があるの。
(まぁ遅刻常習犯だし。今回は四時間か……もう帰っていいかな)
いつもならとっくに帰宅しているけど、今日は特別だから、帰ってもいいのかどうか悩むのよね。
『ぜってー待っとけよ!俺が行くまで。帰ったら二度と口きかねぇからな』
どうして私、
◇◇◇◇◇
駅のホームには屋根がある。だから濡れる事はないの。ポタポタと少しずつ、それでも確実に振ってくる雨は、私に涙を
右目からツツツッと雫が涙に変わり、流れを出して地面へと
――期待なんてしてないからさ。私達は幼馴染だもん。
どうしてかな?右目から左目へと浸食していく『苦しみ』が形になり、両目から溢れんばかりの涙を流していた。
「止ま……らない」
私は、何でこんな時間まで待っているの?今日は私の
俯きながら、誰にも気付かれないように、ひっそりと泣いている私がいる。
――惨めだ。
体と心がシンクロしていて、いつの間にか両手で顔を隠しながら、震えながら、崩れかけている私がいた。弱くて、脆い
『……遅くなってごめん』
ギュと私の表情を見ないように、私のねじ曲がってプライドを隠してくれるように抱きしめながら、
『誕生日おめでとう』
プレゼントは