『
「あ、あれ? おかえり。あんたたち、戻ってきたのね」
戻ってきた三人の表情はどこか真剣だった。
どうやら三人で何かを話し合ったようだが、それがなんなのか私にはわからなかった。
パナンが『
しかしそれは買い取りを依頼する為ではなかった。
「シルシル姉さん、この『
「え? 預かる? 買取じゃなくて? それでいいの?」
私はマリオットとジェラドを見渡したが、二人もコクンと頷き『
「わかったわ。この『
私はパナンから『
「それともう一つ、お願いがあるんだ」
「そうなのです。お願いがあるのです」
「…………」
いつになく真剣な表情の三人に私は少し
「お、お願いってなに……?」
私は恐る恐る尋ねた。
「「「ボクたち、あの依頼を受けたいんだ!」」」
三人は一斉にある一点を指さした。
それは冒険者ギルドの壁の上部───マーカロン村のボスモンスター「沼地のトロール」の依頼書が掲示されている場所だった。
私は怪訝に思い、眉間に皺を寄せた。
「な、何を言ってるの? あんたたち沼地のトロールと戦うつもり? ダメよ。相手はCランクのモンスターなのよ。Eランクのあんたたち───ましてや子どものあんたたちが依頼が受けられるわけないじゃない」
私は即座に拒否したが、三人は引き下がらなかった。
「だったらガンドルフィと一緒に受けるよ」
「僕たち子どもでも大人の冒険者と一緒なら依頼を受けられるのです」
「シルシル姉さん、お願いだよ。依頼を受けさせて。ガンドルフィを説得して」
三人は私に詰め寄った。
「だ、だめよ。危険すぎる。相手はCランクのモンスターとはいえ沼地にいるトロールは
私はそう問い質したが、三人は口をつぐんで答えなかった。
それからしばらく三人はなんとか依頼を受けさせてもらおうと粘ったが、日も暮れて夕飯の時間も近づいてきたので、今日の所は引き揚げることにしたようだった。
私は怪訝に思いながらも三人の後姿を見送った。