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【ミステリー】因習眠る島

因習眠る島

https://www.neopage.com/book/32344027122503800


ネタバレ防止のため空行を設けます。








 本作ですが、タイトル通り因習を軸に据えたミステリーです。因習をメイン要素にした理由はいくつかあります。ミステリー小説には、「冒頭に死体を転がせ」という格言があります。すべての小説は冒頭のインパクトが大事ですから、「事件から始めることで読者を引きつけるべし」ということです。ここで一つ問題が生じます。「冒頭に死体を転がす=事件はすでに起こっている」というわけですが、いきなり事件が起こっても、読者には何が何だか分かりません。作者は作品の全体像を把握しているので、「読者も理解できるはず」と考えてしまいます。



 では、どうすれば死体を転がさずに、読者を引きつけられるか。考えた末に因習を使うことに決めました。因習は「~すると、不吉なことが起きる」というスタイルです。本作では、「見張り台で一夜を過ごすと死ぬ」という因習を第一話に盛り込みました。この導入により、「なぜ、一夜過ごすと死ぬのか」という疑問を読者に持たせて、引きつける要素としました。



■因習をメインにした理由


 因習を使って読者を引きつける。これには、別の意図もあります。小説投稿サイトでは、ホラーも一定の人気があります。因習を使えば、ホラー好き読者を取り込むことができると考えました。また、因習がメイン要素となるミステリーは投稿数が少ないです。ですが、需要はあると考えました。横溝正史氏の『獄門島』のような雰囲気を求めている層がいるはずだと。



◼️「読者への挑戦」を入れた理由


 また、この作品は「読者への挑戦(いわゆる犯人当て)」つきです。これは、私が本格ミステリーが好きなことが理由の一つです。もう一つは、小説投稿サイトの作品には、「読者への挑戦」つきの作品が少ないからです。因習をメインに据えたのと同じように、本格ミステリーの需要もあるはずだと考えました。ネット小説は隙間時間に読むものですから、ガッツリとした本格ミステリーは少ないです。だからこそ、ニッチな層にアプローチできると考えました。



 ここまで、作品の仕掛けについての深掘りでした。では、実際にどういう結果(ウケたかなど)になったのか。残念ながら、カクヨムにおいてはヒットしたとは言いづらい状況です。一方で、ネオページでは一ヶ月ほどミステリー分野でピックアップされました。読者と運営・編集の評価は必ずしも一致しないと考えます。ですから、あるサイトでヒットしなくても、そのサイトの読者層と合わなかったと考え、別のサイトに投稿することをおすすめします。現在、様々なサイトがありますから、特徴を調べた上で、マルチ投稿してみてはいかがでしょうか。



参考

因習眠る島

https://www.neopage.com/book/32344027122503800

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