重量変化の法術は、術者の手から
さあ、ここからが本番だ。
私は白と薄青のマナを集めて集中し、宙に
『我の背中に風を切る翼を……有翼の法術!』
そして
円陣は私を
「くっ! はあ、はあ……」
この法術は、あまりにも体力を使う。
しかし、それでも、今回の旅では絶対に使おうと思っていた。
徒歩なら二十五日もかかってしまうけれど、これを使えばものの数十分でラミナの街に着くはずだ。
「い、行こう」
ぐずぐずしてられない。
有翼の法術は今こうしている間にも、私の体力をどんどん
私は顔を上げて翼を広げると、身体から重みが消えていくのを感じる。足が地から
目を見開き、私は青空に向かって翼を羽ばたかせて、天高く飛んだ。
眼下にはどこまでも続く草原が広がっていて、たまに
まだ高度を上げる。
少し冷えてきたけれど、気にしていられない。
もっと高度を上げれば……とその時、遠くに
(あれだ!)
ラミナの街だ。
後はここから街の裏手、人通りの少ない場所で着地するだけ。
私は翼を広げ、
徐々に、意識が遠のく。
二十五日という時間を短縮するには、高すぎる
(この法術で、マールの村に落ちたのかと、思ったけれど、やっぱり、
そんなことを考えながら、切れそうな意識をなんとか
この法術なら幻惑の森を通らず、私が
(お父さま、お母さま……ハーラル!)
こんな得体の知れない私に
私の目は、もうラミナの街を
ラミナの街は南東と南西に道があり、地図の通りだった。
あの街道は南にあるコルセアの首都と、南東にあるフェルゴートの首都、フェイルーンを結ぶ二つの大街道のうちの一つだ。故に人の往来も激しく、あの付近に着地するのはまずい。
私は徒歩圏内でラミナの街に行けるくらい近づこうと、翼を
それでもなんとか、着地点と定めた場所に足を着けることができた。
着地と同時に
「はあ、はあ、はあ……かはっ!」
私は
「ぐっ…ぐっ…ぐっ…ぷはあっ!」
こんなに
膝に力が入らない。
私は木箱に背中を預けて、疲れが