「クソ、マジで当たんねぇな…!」
俺が呟いた直後、ヴェンデッタが冷たく笑う。
「諦めるのかしら?」
コロウは一歩前に出て、俺を励ますように言った。
「焦るな、若造。まだ我々は負けていない」
その言葉と同時に、ダイアリーから馬が疾走してくる。
「探偵!お前を終わらせてやる!」
レガースの怒声が響き、トンネルで遭遇したあの男が俺に向かって走り寄る。
「また殴られに来たのか?!」
俺は一度笑ってから、挑発的に叫んだ。
「ははは!返り討ちにしてやるよ!」
「今度は容赦せん!」
レガースが火炎魔法を唱え、手から炎の弾が飛んできた。
「チィッ」
俺は素早く左に跳び、炎をかわす。
「ふははは!どうしたどうしたぁ!さっきの威勢はどうしたんだぁ!」
レガースが高笑いしながら炎を連射してきた。
俺は走りながら、それを一つ一つ避け続ける。
「なめんなよ、繋がれぇ!」
俺は叫びながら、魔法の力を引き寄せた。
次の瞬間、世界は歪み、渋谷のスクランブル交差点に繋がった。
「キャー!」「なんだなんだ!」
市民たちが驚き、叫び声を上げる。
「どけぇ!どけやぁ!」
俺は叫びながら、人々を押し退け、目の前のレガースに集中した。
バァン!!
空に向けて発砲した。
「よし、あいつの背後に繋がるようにイメージするんだ…」
あいつに対する怒りを胸に、強く叫んだ。
「繋がれ!」
ヒュン。
ゲートが現れ、先にはレガースの背中があった。
「おらぁ!」
俺は全力で走り、レガースの背中にタックルをかける。
「ぐはぁ!」
レガースがうめき声を上げ、倒れこむ。
すぐさまゲートは閉じ、俺はレガースの上に馬乗りになり、激しく殴りつけた。
ドゴ!ドゴ!ドゴ!
「バカタレェ!てめぇじゃ何回やっても俺を殺せねぇよ!」
「バカタレがぁ!バカタレがぁ!」
その時、コロウが冷静に言った。
「ヴェンデッタ、お仲間に伝えろ、悠はすでにウォークを使いこなしている」
後ろから血まみれの馬2体と共に、ジャックが吹っ飛んでくる。
「うぐあぁぁ!!」
クライスが冷静に呟く。
「ふぅ、やりすぎたな」
「おい、馬まで巻き込むことはないだろぉ!」
コロウが文句を言うと、クライスは笑いながら返した。
「射程距離にいるのが悪い」
「くっ…ヴェンデッタ、けた外れの強さだ、さっさと船長に伝えろ」
ジャックが苦しそうに言った。
「私が止めても、あなたたちはすぐに船までたどり着くわよ」
ヴェンデッタは冷たく言い、次の瞬間。
「また会いましょう、探偵さん」
シュン。
ヴェンデッタは闇に消えた。
「もうこのまま突入するぞ」
クライスが決断するように告げる。
「オイ、決め技を溜めるんじゃないのか?」
コロウが尋ねる。
「その必要はなくなったようだ、ダグたちはすでに多くの幹部を仕留めている」
クライスは無表情で答えた。
「悠、君はここで待機だ」
クライスが振り返り、俺に言った。
「はぁ!? このままここに居ろってのか!?」
俺は驚き、声を荒げる。
「君は切り札なんだ」
クライスは冷静に続ける。
「空へ光の砲撃で合図を送れ。その時は街ごとゲートで包み、大きな湖や海にでも繋いでくれ」
「わかったよ、でももし雪が殺されたら、俺はお前らを殺しに行く、海賊共も皆殺しだ」
俺は怒りを込めて言った。
「威勢のいいやつだ。良いだろう、その時は返り討ちにしてやる」
クライスが笑った。
その後、クライスとコロウは走り出し、ダイアリーへ向かっていった。