クライスは歯を食いしばりながら叫んだ。
「逃がすか、卑怯者!」
メントを追い詰め、彼の股間を蹴り上げる。メントはその衝撃でひとたび空中に跳ね、地面に倒れ込んだ。
「ぐおおお!!」
苦しみながら呻き声を上げ、メントは地面にうずくまる。
「貴様が誰かなんて、この際どうでもいい。ただお前を殺す、それだけだ!」
クライスは剣を握り直し、メントに向けて振り下ろす。その瞬間、メントが驚くべき行動に出た。
「さすがクライス王だぁ!」
メントは一瞬で杖の持ち手を引き抜き、その杖をまるで剣のように変化させた。刃のような形を取った杖がクライスの腹部に突き刺さる。
「ザクッ!」
クライスが叫び声を上げる間もなく、メントは立ち上がり、形勢が逆転した。
「かつて我らはみんな王だった!」
メントはそのまま倒れたクライスの頭に向けてショットガンを構え、冷たい視線を注ぎながら言い放つ。
「だがこれからは、真の王は一人でいい。」
その瞬間、銃声が響いた。
「バン!」
背中に一発の弾丸が貫通し、メントは倒れた。血が地面に広がり、その命を絶たれた瞬間だった。
「この世界は俺のものだぁ!!」
ティードが現れ、メントの死体を無情に踏みつけて宣言する。彼の眼には冷徹な野心が光っていた。
「さぁ、ケリをつけよう、兄弟。」
クライスは力強く立ち上がり、ティードに向けて答える。
「あぁ、決着をつける時だ!」
クライスはその場から一歩踏み込み、瞬時に居合切りを繰り出す。鋭い一閃がティードの腹部を切り裂き、血しぶきが舞い散った。
「ぬああああああああ!!!!!!」
ティードは絶叫し、膝から崩れ落ちる。その最後の断末魔は、京都の空気を切り裂き、遠くまで響き渡った。
そして、戦争は終息を迎える。骸骨兵たちは一斉に静止し、異世界の地球に開かれていたゲートが閉じ、元の位置に戻った。
クライスは剣を地面に突き刺し、深く息をつく。
「終わった…やっと…」
その言葉に、長い戦いの終焉とともに安堵が広がった。