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朱雀41

ここまでいろいろありました。七転八倒、満身創痍。辛い出来事も味わいました。苦しい思いも乗り越えました。


しかし私は手に入れました。

そして今、万感の思いでこすります。この奇跡の魔法のランプを。


こする。こする。こすって、こする。

すると、さぁ、出てまいりました。モクモク出てきたランプの精。


「はいはーい。お疲れさん。願いごと3つまでね、叶えますんで」

「いや、1つで良い。『私の願いを何でも叶えてくれる能力』、それが欲しい」


はぁー、と深いため息を付く精。


「ほんとねぇ、皆、なぁーんで同じこと言うかね。いや、できますよ。その能力を与えることは。でもね、聞きたいのよ。本当に欲しい?自分の願いが一瞬で全部叶えられる能力。何でも出来ちゃうってことは、困難とか挑戦とか、そういうのぜ~んぶ消えちゃうのよ?いいの?ちなみにそれでも欲しいっていうから能力あげた人何人かいたけど、全員どうなったと思う?みーんな自殺よ、じ・さ・つ。つまんなくなっちゃったんだろうね、人生が、簡単になっちゃって。良くわっかんないよねぇ、人間って。で、どうする?それでもこの能力、いる?欲しい?」


「撤回する。お寿司をたらふく食べたい」


「よっしゃ、近くに美味い回転寿司屋あるからそこ行こう。大丈夫大丈夫。奢ってあげるから」


【ランプの精】

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