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第6話

 図に書いてみました。その図をジロウさんに見てもらいました。


「さすが、リナちゃん!! 


これでいい、333を忘れずに。


今はどうなってるかは分からないけど、


潰していなければ存在するよ。」


4年前の夏、ジロウさん仲良し3人組男子、高校2年生は、新任の音楽の先生に恋をしました。


3人の内誰が先生の心をつかむことが出来るのかを、賭けたそうです。


あのセクシーな女教師の心をつかめるか、


3人ともに、ちょっとイケメンで自分には自信があったようです。


3人は機会をうかがいます。


話し掛けるチャンスをうかがいます。


セイコ先生は、放課後になると決まって講堂の隅に固定されているビアノを弾いています。


3人は、密かに講堂に行き、半開きのドアの陰にかくれて、


ノースリーブの体に張り付くようなワンピースを着て、


長い脚を半分は出して、優雅にピアノを弾いている姿を眺めていたそうです。


いつも、ショパンの「別れの曲」が終わると、


ピアノの響きが消えるのを知っていた3人は、いよいよショパンの「別れの曲」が始まると緊張したそうです。


弾き終わったら、


ピアノの蓋を閉めて、


自分達が隠れているドアに向かって来るだろう、


何気なく、あくまでも何気なく、


話し掛ける、、、そして、、さて、、そして、


3人はドキドキして、セイコ先生のむっちりした腕やどーんと重そうに張った胸を想像していました。


 「別れの曲」は終わりました。


終わりましたが、いっこうにセイコ先生は出てきません。


3人は顔を見合せ、講堂を覗きました。


しかし、先生はいませんでした。


講堂への出入りは、正面のドアだけ、つまり、校舎から無理矢理伸ばした狭い廊下を歩いて到達する正面のドアだけのはずです。


3人は、講堂の中に入り、

天井やピアノの周りなどを、歩き回り、探したそうです。


しかし、

セイコ先生は忽然と消えていたそうです。


ジロウさんのひと夏の思い出、3人の仲良し仲間の秘密とは。


その講堂からセイコ先生が消えたところから始まります。


ジロウさん達は、なかなかに頭脳明晰な3人です。


高校2年生ですから、異性には興味津々です。


でも、まだ、ジロウさん達3人は、女性に対しては憧れだけで、未経験です。


そして、自信家の3人は怖いもの知らずでした。



床を這いずり回り、重い壁を叩き、探しました、どこかにいる、きっとこの講堂のどこかににセイコ先生はいる。


何も行事がない日には、午後8時には、図書館と講堂の空調の電源は切られるはずです。


空調だけでなく、明かりの電源も切られると、3人の内の1人が言いました。


そんな時です、ヒューんという音と共に真っ暗になりました。


3人は体を寄せて、帰ろう、今日のところは帰ろうとしました。


ジロウとシュンとサトシの3人は、転ばないように、ドアの方へ向かおうとして。


シュンが2人の腕をつかみました。


「あれ! あれを! 」


「なんだ?!」


「まさか!!」

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