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第8話

 私達は夏休みに入る前に探検を済ませることにしました。


懐中電灯に、少し大きめのマイナスドライバー、デジカメ、一応、縄ばしごも。


地下室なので、電気などもついてなく、閉じ込められたりした時のために縄ばしごも持っていかなくちゃと提案したのは、クミコでした。


クミコの家族は、お兄さんが1人いて家族4人ですが、家族の趣味は島探検とか。


クミコのおじいちゃんの、お父さんですから、曾祖父さんになるはずです、


その曾祖父さんがお役所を退職した時に、退職金と先祖代々の土地を売り払って無人島を買ったらしく、


その小さな未開の島にクミコの一家は、


夏に1週間から10日間行っていたそうで、


探検に必要な機材は揃っているようで。


縄ばしごもクミコが持ってきてくれることになりました。


 ペンライトでもいいので、3人がそれぞれ懐中電灯は持ってくること。


スマホは忘れずにしっかり充電されたものを持ってくること。


暑い盛りですが、怪我をしないように長ズボン、長袖スタイルで滑らない靴。


カビなどが発生しているかもしれないので、マスク。


 3人と打ち合わせしていると、荷物がどんどん増えます。


この暑い最中に、長袖、それも私がいつも着るようなふんわり袖の薄手のお洒落なブラウスじゃなく、


丈夫なTシャツなどにして、スパッツより動きやすいデニムとか、次々条件が付き出しました。


 私はだんだん億劫になってきていました。


意外にも、いつもさめているクミコがやる気満々でした。


 一応、水筒に水かお茶も持って行こう、


閉じ込められたら、、地下室を探検している最中に地震がおきたら、、用意周到に、



不測の事態に備えなければ。


とっても大袈裟なことになってきていました。


金曜日で1学期は終わり、土曜日から夏休みになります。


学校の敷地の隅に、寮があり、


そこには全国あちこちから入学してきている生徒が暮らしていますが、


男子寮のみで、女子は元々人数が少ないせいか、女子のための寮はありません。


私のように女子で地方から、この学校に進学してきた人は、殆んどが親戚の家に住んでいるようです。


 歴史ある進学校と云いますが、


私にはさほど、教育的に学業的に素晴らしいとも思えませんでした。


この学校は、子供本人の気持ちより、親や親族の気持ちで進学してきているのではと、私はみていました。



 金曜日で1学期は終わります。


すると先輩達の話では、寮生の殆んどがその日のうちに帰省するそうです。


すると、正門も閉じられ、許可証のない生徒は入ることが出来なくなるそうです。



 私達は、木曜日の放課後に1回目の探検をすることに決めました。


地下室はまだ存在するのか。


あったとして、室内に入ることが出来るのか、


中の備品類は何があって何が使えるのか。


トイレはあるのか。


また、電気や空調などは遮断されていないのか。


図書館への廊下のどこに地下室へ続く地下通路への入り口があるのか。


それらのことを調べようと決めました。


私達は木曜日の放課後、講堂で集まることに決めました。

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