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第9話

 木曜日は朝から土砂降りの雨でした。天気予報でも終日雨でした。


クミコの家は、学校から遠いので、荷物を当日持ってきて、学校のトイレで着替える予定になっていましたが、


こんな土砂降りに、縄梯子や着替えや靴や傘や、それに普段の通学鞄もあるのですから、張り切っていたとしても、


私より頭1つは大きな人だとしても、あまりにも無鉄砲過ぎると、


朝クミコに電話をしました。


「おはよう! ひどい天気よ!


私のところで着替えしましょうよ。


学校近いから、朝、荷物をこっちに置いて学校に行きましょうよ、、


少し早めに出たら、

うちに寄れるんじゃない?」


クミコは、案外素直で、荷物がすごいらしく、私の家に寄ってから登校する、放課後も私の家で着替えて、探検に行くことに同意しました。


エイミはすでに私のところに移っていたのですが、


ジロウさんに一目惚れをしてしまったようで、これはまずいことになるなぁと、、


ジロウさんとエイミがおかしなことにでもなったら、


エイミのあの厳格な両親が何と騒ぐかと想像しただけで怖いのですが。


エイミは躾の良い人なので、祖父母も伯母さんも、躾の良さが分かるわぁ!と、


エイミに好感を持っているようですが、


いざ、溺愛している息子とおかしな関係になったとしたら、


平手を返してしまうようにも思えます。


私は白のTシャツに、デニムのスリムパンツスタイルで行くつもりですが、


エイミはデニムがきついらしく、イヤだ、イヤだとぼやいていて、


急に太るって洋服も困るようになるのだと、私は新発見でしたが。


結局エイミは水曜日に新しいパンツを買いました。


今年は、ユルユルパンツが流行っているので、ゆったりパンツを買って、ご満悦のようでしたが、


3人で着替えを終わると、私を眺めて、


「細いって、カワイイ!」

「抱きしめたくなる!! 」

を連発して、私もリナみたいになりたい、

ちっちゃくなりたい、いいなぁ!


人間てないものねだりをするものなんだと再認識しました。


私はチビさんなので、太ってる、痩せてるは関係なく、背が高いだけで羨ましいのですが。


エイミが私のところで、ひと夏を暮らすことになって、


私はまだ数日なのに、エイミによって、目を開かされたことがあります。


祖父母のところのご飯は美味しいということ、


従兄弟なので異性として見たことのなかったジロウさんが、


なかなか素敵な男性であること、


そして、私はおチビさんで、真っ白で、やせっぽちですが、けっこうおっぱいは大きいと知りました。


 エイミと一緒にお風呂に入って、知りました。


エイミは、キレイ!リナはきれい!



とうっとりしたように言うので、お世辞ばかりとも思えず、、


私は一応順調に成長しているのだと、ちょっと安心しました。


客観的に言ってもらえるって、大切なことだと思います。



さてさて、私達3人は、土砂降りの雨の中、背中にリュックを背負い、傘をさして、意気揚々と学校に向かいました。


今日までは、正門もチェック無しで出入り出来ます。



じとじと暑苦しく、土砂降り雨でも気温は30℃ありますから、イヤな暑さになっていました。



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