人間は、極度に驚いた時、どんな反応をするだろうか。
人間がひどい恐怖に突然襲われた時、どんな反応をするだろうか。
私達3人は、遊び半分、好奇心半分だったはず、
地下室があるのならば、現在も実在しているのかを確認する、真剣に考えたのは、そこまでだったはず。
エイミに意地悪なことを言って、エイミの学習意欲を減退させた連中に痛い目に合わせて懲らしめてやりたい、
それは、多分、付随的なことだったはず。
絶対に、懲らしめてやらなくては、
地下室があるのなら、
しばらくは、そこに閉じ込めてやろうとは口にはしていても、
実際は現実味がなかった。
私達3人は、ひと夏の思い出に、
高校1年の夏休みの思い出に、
仲良し3人の夏のちょっとした冒険のつもりが、
探検を計画して実行した理由の大半ではないかと思う。
暗闇の先に、3つの懐中電灯の光の先には、異様な光景が広がっていた。
地下通路は、白い植物、
真っ白いウネウネとした、植物で塞がれていた。
そして、その先に見える地下室の硝子窓には、ウネウネと動く、
それはまぎれもなく、恐ろしい量の蛇が充満していた。
私は瞬間的に胸に下げたスマホのカメラをオンにして動画を撮り続けた。
本当に驚くと人間は声すら出ない。
エイミはズドンとその場に尻もちをつき、口をパクパクさせて、両手を泳がせていた。
腰を抜かせてしまったに違いなかった。
クミコは、1人進み、白い天井までいっぱいになっている植物をいくつかパキパキ折り、
匂いを嗅ぎ、スマホで写真を撮っていた。
「戻りましょう!」
クミコの静かな声で、エイミはやっと自力で立ち上がり、
私達は降りてきた階段を上り、、なんとか、廊下に出て、西玄関から退去して、
潜り込んできた、西側のフェンスから、外へ出ました。
学校の敷地から出るまで、私達は無言だった。
エイミのハァハァという激しい息遣いだけが、私の耳には聞こえていて。
人が沢山行き交う大通りに出てからやっと、
「あの白い植物は独活ね。」
クミコは植物にも詳しいようでした。
独活って、あの酢味噌合えにする独活なのか、
蛇と独活、、
私は今後は多分独活は食べられないだろうと感じました。
「独活は地下で栽培されてるから、、
あそこは、丁度良い環境だったのね、、見た?
地下室の蛇?」
クミコは冷静に、見た?
などと口にするけれど、私もエイミも、口に出すことすら気持ち悪くて出来ませんでした。