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第14話

 祖母とジロウさんが私の部屋から出て行って、


寝ましょう、明日は終業式、とにかく、終業式には出席しなければ、寝坊は出来ない、


通知表をもらわなければ、自分のロッカーから体育着と傘やタオルなどは、持ち帰らなくちゃ、


などなど話しながらも部屋の電気は消しました。


すると、暗い部屋の中でエアコンの低い唸り音だけが響くのですが。


クミコもエイミも眠れない様子で、


寝返りをうったり、ため息をついたりしていましたが、


私は眠くて眠くて、その内にぐっすり寝入ってしまいました。


 体力があって、健康な人は寝つきが良いといわれていますが、


私はそれについては、さてどうかなと疑問視しています。


私はそれほど体力もなく、一応は健康ですが、胸を張って健康優良女子ともいえません。


 小さくて、細くて、体育は苦手で、


食は細い。


あれこれ好き嫌いがあります。


学校は、寮生はランチについては、同じ敷地内なので寮に戻って食べているようで、


自宅から、または私のように親類宅から通っている人は、


お弁当派と学校の食堂派に分かれます。


売店にはコンビニのように飲み物や、パン、サンドイッチ、お握り、お弁当なども売っているので、


そこで買って済ませている人もいます。


運動系の部活動をしている人は、ランチの他に、


夕方食べるために、売店でパンなどを買う人もいるようで、


私にすると、まあ、よく入るものだと感心してしまうのですが。


クミコとエイミは食堂派で、私はお弁当派です。


好き嫌いが多いのと、油に弱く、外食にしても、油を使ったものを食べると、

ひどい腹痛に襲われるので、伯母さんが毎日、お弁当を作ってくれます。


いつも3人一緒に食堂で食べますが、


私はクミコにしてもエイミにしても、


考えられないような量を食べるので、


2人は食欲旺盛ゆえに、背も高く、健康なのだろうなぁと、常々思っていました。



しかし、その食欲旺盛で健康体の2人はよく眠れなかったらしく、朝起きると、


「リナはよく気が太いのね、まあ、よく、ぐっすりだったでしょう、」


「うらやましい、、リナは」


などと言い、2人は寝不足の顔をしていて、顔色も悪かったので、私は少し申し訳なく感じましたが。



ただ、よく聞いてみると、地下室の話ではなく、進路のことや、恋の話をしていたらしく、、


それならば、良かったではないかと、ほっとしたのですが。


後日、私はクミコには彼氏がいることを知り、


すっかり驚いてしまったのですが、


なんでも探検家の卵で、すでに社会人の人らしくて、


やっぱり大人っぽい人は違うなぁと思いました。


しっかり者のクミコに比べて、体は大きくてもエイミは、子供っぽく、


恋に恋している部分もあるので、


太ってきた自分を許せず、また、男子にデブと言われて深く傷ついたようですが、


今はジロウさんに出会い、気持ちは秘密にしていますが、


心の中はジロウさん一筋らしく。


私は、それもまた困った問題だと密かに考えていました。


 クミコは、キスは何度もしていて、会う度にキスはすると、堂々と話すので、それを聞くエイミは、


「いいなぁ!! 


私も早くジロウさんとキスをしてみたいわ、、」


などと夢心地でうっとりした表情で言うので、


ますます困ったと、地下室問題より大変なことだわと、、


祖母にそれとなく話しておいたほうがよいのでは、考えたのですが。


少なくとも、私にとっては血の繋がったイトコですから、


それも、イトコ達の中では、一番年齢が近いので、


小さい時から接触の多かったジロウさんを素敵とは全く感じることが出来なく、


世の中は人それぞれ好みが違うので、成り立つのだなぁと、首を傾げながら納得して。



私達は、学校へ向かいました。


制服をきちんと着て、指定されている黒い革靴を履いて。


暑くてもブラウスのホックをきちんと止めて。


終業式に向かいました。



私達が朝食を食べている時、祖母はすでに出掛けてしまったようで、のんきな私は、早いなあと感じただけでしたが。








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