クラウス宰相の陰謀を暴くため、リリィとクラウ ディウスは鉱山の最奥部に潜入する。しかし、待 ち受けていたのは、巨大な戦力を誇る敵の親衛隊 と、宰相が計画を進める決定的な証拠だった。二 人は危険な戦いを繰り広げながら、最終決戦の準 備を進める。
鉱山の奥で待ち受けていたのは、クラウス宰相の手による巨大な番人だった。その恐るべき力と鎧で武装した巨人を前に、リリィとクラウディウスは互いの技術を駆使して生き残りを図る。
洞窟の奥に進んだリリィとクラウディウスは、異様な雰囲気を感じ取っていた。石壁には古びた紋章が刻まれ、薄暗い光の中で影が揺れる。そこに突如として重い足音が響き渡った。
「何か来る……!」
リリィは鋭く目を光らせ、短剣を構えた。
次の瞬間、暗闇の中から現れたのは、全身を重厚な鎧で覆った巨人だった。その体格は普通の人間の倍以上あり、手には大きな戦斧を握っている。
「侵入者よ、この先には行かせぬ。」
低く響く声が洞窟全体に反響する。巨人はまるで機械のようにゆっくりと歩み寄り、二人を見下ろした。
「これまでの敵とは比べ物にならない……。」
クラウディウスは剣を構えながら呟いた。
巨人の攻撃開始
巨人は突然、戦斧を振り下ろした。その一撃は洞窟の床を砕き、岩の破片を四方に飛ばした。リリィとクラウディウスは間一髪で攻撃をかわし、岩陰に身を隠した。
「この攻撃をまともに受けたら、一撃で終わるわね……。」
リリィは息を整えながら、巨人の動きを観察した。
「だが、その鎧をどうにかしない限り、俺たちの攻撃は通じない。」
クラウディウスは剣を構え直しながら答えた。
巨人は再び斧を振り回しながら、リリィたちに向かって進み始めた。その動きは遅いが、一歩一歩が地響きを伴い、周囲の岩壁を揺らしている。
隙を探るリリィ
リリィは巨人の動きをじっくりと観察し、鎧の隙間を探していた。その鎧は頑丈そうに見えたが、関節部分には若干の隙間があることに気づく。
「クラウディウス、その膝の関節部分が弱点よ!そこを狙って攻撃を集中させましょう!」
リリィは短剣を握り直し、巨人の膝を目指して駆け出した。
クラウディウスも剣を振りかざし、巨人の膝に向かって一撃を加えた。金属がぶつかり合う鋭い音が響き、巨人の動きが一瞬鈍る。
「効いたぞ!」
クラウディウスが叫ぶと、リリィも続けて短剣を投げ、巨人の膝を狙った。
巨人の反撃
しかし、巨人は痛みに耐えながらも、戦斧を振り回して反撃してきた。その攻撃は広範囲に及び、リリィとクラウディウスは距離を取らざるを得なかった。
「こんなに頑丈な相手、どうやって倒すの……。」
リリィは短剣を拾いながら焦りを感じていた。
「力だけじゃ無理だ。地形を利用するしかない。」
クラウディウスは周囲の岩壁を見回し、洞窟の構造を利用する計画を思いついた。
「リリィ、あの岩棚を狙うぞ。巨人を誘導して、上から岩を落とす!」
クラウディウスはリリィに指示を出し、自ら巨人の注意を引いた。
罠の成功
クラウディウスは巨人の周囲を駆け回りながら、挑発的な声を上げた。「おい、ここだ!捕まえてみろ!」
巨人はその声に反応し、クラウディウスを追いかけ始めた。その隙にリリィは素早く岩棚の上に登り、岩を崩し始めた。
「今よ!」
リリィが叫び、岩棚から大量の岩を巨人の頭上に落とした。巨人は頭部に直撃を受け、バランスを崩して膝をついた。
「チャンスだ!」
クラウディウスはすかさず剣を振り下ろし、巨人の膝を完全に破壊した。その結果、巨人は完全に動きを封じられた。
とどめの一撃
動けなくなった巨人に対し、リリィは短剣を構えて最終攻撃を試みた。彼女は巨人の首元の隙間を狙い、力強く短剣を突き刺した。
「これで終わりよ……!」
リリィの声が洞窟に響き渡り、巨人はついに地面に倒れ込んだ。
洞窟のさらに奥へ
巨人を倒した二人は、息を整えながら洞窟の奥に 進んだ。そこには巨大な扉があり、その表面には クラウス宰相の紋章が刻まれていた。
「ここが......奴らの本拠地ね。」
リリィは険しい表情で扉を見上げた。
「慎重に行こう。この先に何が待っているか分か らない。」
クラウディウスは剣を握り直し、リリィに頷いて 見せた。
二人は扉をゆっくりと押し開け、さらなる戦いに 向けて足を踏み入れた。