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第25話 布団

 弘樹はしばらく道場で寝泊まりすることになった。寝間着に着替えた弘樹は、朱良に寝室に案内された。


「弘樹、何してるの、早く布団に入りなさい」と朱良が言った。「私が用意した寝床で寝るという約束を忘れたの?」


「わかったよ」と布団に入りかけて「姉さんはどこで寝るの?」と聞いた。


「もちろんここで寝るわ。これ、私の布団だもの」と言いつつ、弘樹の横に体を寄せた。


「一緒に寝るの?」と弘樹。


「そうよ」と朱良。


「ぼくたち、姉弟だよね」と弘樹。


「そうよ。それがどうしたの?」と朱良。


「一緒に寝るのって変じゃない?」と弘樹。


「あなた、ずっと私達と一緒に寝てたじゃない。忘れたの?」と朱良。


「でも、それは子供のときのことだよ」と弘樹。


「あなたは今も子供よ」と朱良。


「ふうん」と弘樹。


「変なこと言ってないで早く横になりなさい」と朱良。「ところで弘樹、あなた、約束を忘れてるわ。」


「え、なに?」と弘樹。


「朝と夜、私にキスするって約束したでしょ」と朱良。


「そうだけど」と弘樹。


「じゃあ、早く」と朱良。


「でも……」と弘樹。


「私がしてあげるわ」と朱良。


「姉さん、のしかかってこないで」と弘樹。


「だめよ、逃げちゃ。約束を守りなさい」と朱良。「さあ、早く!」


「早くって何を?」と弘樹。


「あなた、おっぱいが好きなんでしょ」と朱良。


「でも……」と弘樹。


「早く触るのよ」と朱良。「弘樹、準備できてるわね。」


「姉さん、まさか」と弘樹。


「さあ、早く。私に恥をかかせる気?」と朱良。


「ちょっと待って」と弘樹。




「弘樹……、無理にしないで……。」


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