目次
ブックマーク
応援する
1
コメント
シェア
通報

第58話 捕り物(2)

 朱良は帰宅して、弘樹達に仕事を引き受けたことを報告した。それからサポート役の黒川由香のことも伝えた。


「姉さんは、その人がどんな家の人なのか聞いたの?」と蓮。


「父親が神主だって言ってたわ」と朱良。


「技を使う気配だけわかる人なんているのかしら」と蘭。


「そもそも、技を使う人が身近にいないと、そんな能力身につかないと思うけど」と蓮。


「言われてみればそうね」と朱良。


「私達も弘樹兄さんが技を使うところを何度も見てるから、なんとなく気配がわかるけど」と蘭。


「明日、聞いてみるわ」と朱良。「あなたは技を使う時の気配を自覚してるの?」


「うん。周りの人の様子で、何となくわかるよ。技を出す瞬間は特に」と弘樹。


「でも気配で技を出すのがばれてしまわないかしら」と朱良。


「そうだね。ぼくは最初からわざと強い気配を出してる。技を出すタイミングがわからないように」と弘樹。


「お兄さんのぞっとするような殺気は、技のタイミングを消すためのものだったの?」と蓮。


「まあそうかな」と弘樹。


この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?