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第64話 相談(2)

「ああ、八角学園からの依頼はよく来ておったよ。あの学園の校長とは心安くしていたんじゃ。校長は代替わりしたようだが、今の校長とも面識がある。だから朱良に紹介したんじゃ」正一は言った。


「お金をもらって闘ってもいいのでしょうか」と朱良。


「そうじゃな。金を受け取るのは問題じゃな。技を個人的な利益のために使わないというのが流儀の掟じゃからな。しかし、不正な技の使用者を制裁することは、悪くあるまい。その点、先代の修羅はおおらかじゃったな。金は貯金しておったよ。道場での生活費や建て替え費用に使っておった。そもそも、わしらが弟子を取らないでも食べていけるのは、先代の修羅の貯金のおかげじゃ。そろそろ貯金が尽きかけておるがな」と正一。


「じゃが、お金のことは心配せんでええ。わしらが食べていくには十分な額があるでな」と妙。「それよりも、お前たちがどのように身を振るかじゃ。お前さんたちは四人とも卓越した使い手じゃ。どう見ても先代の修羅より数段上じゃ。世間が放っておかんじゃろ。」


「先代のシュラはこの業界で『伝説の修羅』と言われたほどの使い手だった。お前たちはその看板を背負っておるから、この先、同じような依頼が来るだろう」と正一。


「今回の依頼を断ってもよいが、根本的な解決にはならんじゃろうな」と妙。

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