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第18話 最強ギザ歯彼女は楽しませたいんですケド!

ジェットコースターでワクワクしてる顔を見られて以来、

めちゃくちゃ小角がこちらを見てくる。おい、やめろ。


たまにスマホ構えてる。おい、やめろ。


ただ、徐々にこちらを見る時間が少なくなってくる。おい、


ちょっと不安になる。

もしかして、小角は楽しめてないんじゃないか。

アタシがひとりで勝手にはしゃいでるんじゃないか。


聞くのは怖い。

でも、聞かないですれ違っていく方がよっぽど怖い。


「あ、あの、な……遊園地、好きじゃなかったか?」

「へ?」

「いや、小角、なんか、しゃべんなくなったから……」

「あー……」


小角が視線を泳がす。

やっぱり……。


「あの、さ」

「うん……」

「俺、遊園地来るの、多分、小学校以来なんだよね。なんか……楽しすぎて、えーと、びっくりしてた」


え?


よかった。


よかったぁああああ!


楽しくないわけじゃなかった!

楽しくないわけじゃなかった!


「ごめんな、勝手に楽しんで」

「う、ううん! いい! うれしい! うん!」


やばい、変なリアクションした。


「ありがとな、誘ってくれて。すげーたのしい」

「あ、うん。よかった。うん」


おい、やめろ。

急にそんな笑顔。

やばい笑顔。

えが……ヒヒヒ。


笑ってると小角が手を出してきた。


「どした?」

「あー、うん、遊園地久しぶりだからか、ふたりで楽しむ方法が分かりませんので、とりあえず、手でも繋いでみようかと」


おい、やめろ。

ジェットコースターよりドキドキするわ。

おい、やめろ。

照れるな。ひっこめるな。

つなぐ。

つなぐからな。


つ、

つな、

つなぐからな!


おいぃい! ひっこめるなあ!


小角を睨むと、もう一回手を出してくれた。


掴む。

あつい!

うれしい。

ヒヒヒ。


「たのしい?」

「たのしい」

「そっか」


ヒヒヒ。



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