午前中、ジェットコースターやらの絶叫系をひたすら回り、来馬がとてつもなく楽しんで上機嫌ギザ歯だった。
が、お昼にしようと言うとテンション急降下。
「え? なに? そんなに乗り足りない?」
「あ、いや、じゃなくて、うー」
うーかわいいな、おい。
うーうー可愛く悩む我が彼女。
ただ、なんとなく、察しはついてる。
今日来馬は、かなり大きめのトートバッグで来てた。
入り口のコインロッカーで預けてたが、今日の予定は遊園地しかない。
つまりは、そういうことではなかろうか。
「おい、消防車」
「あ? 救急車呼びたいのか?」
怖いぴえん。
「いや、入り口もどる?」
「………うん」
いや、急変化ー!
ギロギロ来馬ちゃんから、もじもじ来馬ちゃんかわいいな!
そして、コインロッカーからトートバッグを取り出す。
そして、トートバッグから……
トートバッグから……
いや、取り出せよ!
「いや、取り出せよ!」
「うー」
はい、来馬消防車ー。
顔も真っ赤だしな。
取り出したのは、やはり、赤いかわいいお弁当箱だった。