【来馬晶視点】
なんだ、あの生き物は……!
小角の妹、ミコちゃんが小角のおじさんたちに連れられてごはんを買いに行った。
こんなことならもっとお弁当を作ってくればよかった。
しかし、しかし、
かわいかった!!!!!
ミコちゃんは最初、アタシを威嚇してきた。ちっさい犬みたいでかわいかった。
そして、アタシが迫ると、逃げて、小角の背中に回ってかわいかった。
そしてそして、ミコちゃんが転びそうになったのを助けると、
ミコちゃんはおちたかわいかった。
アタシに抱きつき、その後は死ぬほど撫でた。
ミコちゃんはデレていたかわいかった。
かわいかった。
ああ~、全てがかわいい~。
そして、名残惜しそうにあたしのもとを離れ、お昼を買いにかわいかった。
「どした?」
「あ~、ミコちゃんかわいいな~」
「まあ、我が妹を気に入っていただけたようで何よりだよ」
「あ~、あんな子が妹だったらなあ」
「ん? いや、別に、けっこ……」
そこで小角は詰まり、そっぽを向いてしまう。
けっこなに? なにっこん?
ねえねえ。
アタシはそこまで夢見てるからな。