第12話「さあ無敵だ、これが最後の恋」
甘酸っぱい恋はお好みかな?
今も昔も「甘酸っぱい恋」は良く聞く言葉だからきっと若い子からいい大人まで大好き。それが自分事ではない誰かの「甘酸っぱい恋」ならなおのこと大好きで夢中なこと間違いなし。しかしこの「甘酸っぱい」という言葉。辞書で調べると「うっとりと快い気持と感傷的な気持が入りまじって、やるせない感じ」とある。なるほど。やるせない、か。ちなみにやるせないは「思いを晴らすすべがない、せつない、施すすべがない、どうしようもない」とある。つまり甘酸っぱい恋は叶わなかった恋、片思いもしくは両思いでも成就できなかった恋となる。だからタイトルに甘酸っぱい恋とつけた瞬間に出オチ、ネタバレ、結末まるわかり。まあ、最近の映画も漫画も小説もラノベも小説も漫画も映画もタイトルから物語の内容や中身が想像できないと手に取ってもらえない情報飽和情報大正義社会だから、この言葉はきっと尚の事使い勝手がいいのだろう。と思ったよ。
つまり、単語ひとつのタイトル、「潮騒」とか「告白」とか「壁」とか「すすきのアウトサイドパークッ!!」みたいな表題の小説は時代遅れなのかな。あらすじみたいなタイトルを読むだけの人間より、言葉の裏側を想像できる人間でありたいと思う。
さて、今回も前ふりが長い予告編。第十二話は茨戸創くんの恋のお話。実は前々から真剣に娘のためにお母さんを迎え入れてあげたいと思っていたのだ。妖刀使いは親代わりはできても母にはなれない。桜お姉ちゃん以上の存在にはなれない。だから、本当に久瑠美のことを思うのであれば、俺よりも娘を大切にしてくれる人を探したい。まあ、俺にガールフレンドができなかった理由は女の子よりトラブルを毎日追いかけていたからなんだけどね。
しかし、人生分からないもので。そんな俺が、なんとある日出会ったばかりの女の子に告白されたんだ。「好きです! 付き合ってください!」って。いや、嘘じゃないって。ほんとほんと。
遊びの恋はいらない。さあ本気に無敵だ、これが最後の恋。ハニーハニーで甘酸っぱい恋の第十二話。