第14話「雁来成哉殺人事件」
「創、頼みがある。俺を助けてくれ」
殺人事件が起きた。
「犯人だと思われている。そう簡単には覆らないだろう。助けがいる」
今のところ、この電話だけが全てなので、全貌が見えない。
「幸いにも俺には多くの仲間がいる。そのうちのひとりがお前のところへ行く。本当に頼めるのは創、お前だけだ」
電話が切れる。いつもの冷気は感じられない声だった。
目的地に着くと成哉の言う人間はすぐに現れた。
それは俺の記憶媒体が生涯忘れ無いであろう男だった。
「久しいな、オーガナイザー。私のことは覚えているかな」
最凶の詐欺師、死屍累々と殺人事件に挑む。世界変革の時が鳴る前に助け出せ! 真冬の旭川が舞台の第十四話!