第16話「札幌Black bites/歌う置き配泥棒」
置き配は、今や日常に溶け込んで当たり前になっているサービスのひとつ。お陰で時間指定をして、正座でインターホンを待つ必要は無くなった。好きな時に好きな時間に受け取ることができる。物流の人手不足と需要が爆増を続ける世の中。再配達が減るのは、一助になるのではと安易ではあるが思う。
置き配はとても便利で有益なサービスであるが、しかしどんなところにも悪いことを企む人間はいる。宅配ボックスがあれば心配無いが、玄関扉前などを指定するのは珍しくない。置き配泥棒はそこを、その一瞬を狙う。
一方、〝ブラックバイツ〟という暴力強盗窃盗団が『すすきの』の街を震撼させていた。個人宅も営業中の店にも問答無用で押し入り、金を強奪。住人が抵抗すれば全員殴り殺す。凶悪卑劣な犯罪。その一部が氷永会と衝突した。互角に戦えたっていうから驚き。ヤクザ相手に負けないとは、なかなかやるな。
ボーイズも被害に遭っていたらしく、憤った成哉から俺に指令が下った。窃盗団を潰し、目の前に連れて来いと。氷永会も似たようなことを言っている。
これは大きな犯罪に隠れた小さな犯罪の話。星空ばかり見ていると、足元の百円玉には気づかない。小さな幸せを感じるのはどっちだろうな。
流れ星と流れない星を見上げて数える時間帯に、ひとりで黒いラーメンを食す第16話!