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第3話:大混乱の日々

翌日から事態はさらにエスカレートした


朝、下駄箱に手紙が三通も入っていた


全部女子からだった


一通目:

『寿さくらさんへ


あなたのそのストレートで裏表のない性格に、心を奪われました


今度、一緒にカラオケに行きませんか?


あなたが好きそうなロックな曲、私も覚えました


二人っきりで楽しい時間を過ごしましょうね


ギャル系JK 愛美より』



二通目:

『親愛なる寿さんへ

演劇部の公演を見に来てくれてありがとうございました


(僕、見に行った覚えないんだけど・・・)


君の率直で飾らない魅力に、すっかり魅了されてしまいました


今度、私の演技を個人的に見てもらえませんか?


二人だけの特別な舞台を用意します


演劇部部長 雅子』



三通目:

「さくらへ

生徒会の仕事で君のことを調べる機会がありました


(何で調べるの?)


成績は中の上、遅刻は多いけれど、友達思いで正義感が強い


そんな君にとても惹かれています


今度、生徒会室で二人きりで話しませんか?


生徒会副会長 千尋』



「なんだこれ〜〜〜!!」


僕は廊下で3通の手紙を握りしめて叫んだ


通りかかった同級生たちがみんな振り返る


「おお、さくら、ついに『モテ期』が来たのか」


隣の席の相原が肩を叩いてきた


「相原、これ異常だろ?僕、何もしてないのに急に・・」


「でも愛美って、あのギャルの愛美だろ?あいつ、普段は不良っぽい男子としか話さないのに」


そう言われてみれば、愛美は茶髪でミニスカート、いかにもギャル系で、僕みたいなガサツ女子とは正反対のタイプだ


「それに雅子先輩なんて、演劇部のプリマドンナじゃないか、あの人からの手紙なんて、男子が聞いたら嫉妬で死ぬぞ」


「でも全員女子だぞ?僕、女なんだけど」


「あ〜〜それは確かに困ったな・・・でも、お前って男っぽいし」


その時、廊下の向こうから美月さん、麗奈先輩、静香さんが同時にこちらに向かってくるのが見えた


3人とも僕を見つめている


しかも、今度は愛美、雅子先輩、千尋も一緒だ


6人の美女が僕に向かって歩いてくる光景は、まるで映画のワンシーンのようだった


でも僕にとっては恐怖でしかない


「うわああああ!」


僕は相原を置いて屋上に逃げた


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