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第4話 『選択肢が修羅場しかない件について』

 朝の教室。

 いつものように机に座り、平和な1日を祈る。


「ユウト先輩、今日のランチは私と一緒に♡」


「ユウトくん、今日こそ図書室……来るよね……?」


「ご主人様、今朝も紅茶とスコーンをご用意しました。熱々でございます」


 無理だ! この空気、どう考えても死亡フラグ!!


 しかも、ここにさらなる追い打ちがかかる。


「おーい風間、先生が呼んでたぞー」


「あっ、ああ……ありがとう」


 職員室で告げられたのは、修学旅行の班決めについてだった。


 先生:「人数合わせの都合で、男子1名だけ女子グループに混ざってもらうことになってな」

 先生:「で、風間。お前、女子全員から指名されてるぞ」


「…………は?」


 いやいやいや!? それって、修学旅行が、3泊4日のリアルデスゲームに!?


 その日の放課後。


 俺の目の前に、ヒロインたちが勢揃いしていた。


◆ことの「もちろん先輩は、ことのの隣ですよね……?」(ぴとっ)

◆しずく「旅先で読むの、君の選んだ本がいいな……」(上目遣い)

◆つかさ「先生にはもう申請済みです! これが公式ルートですっ!」(無駄にフットワーク軽い)


 さらにここで、新キャラ登場!


「おっすユウト! 修学旅行ってさ、アリじゃね? うちらで行動とか!」


 ドカッと俺の肩を叩いてきたのは、褐色肌でスポーティな元気系ギャル・早乙女あかね。


 学年は同じだけどクラス違い。最近になって急接近してきた系女子。


「え、なに? 風間って人気者? チッ、やるじゃん」

「いやそういうんじゃなくて……」


「ま、うち的には、ガチで狙ってるから? よろしく」

「うわぁぁぁっ!? 宣戦布告されたあああ!!」


 さらに。


「あら、ユウトくん。修学旅行、誰と同じ班なのかしら~?」


 教室の入り口に立っていたのは、長身スレンダー、ふわふわした雰囲気のお姉さん系女子・九条さつき(くじょう・さつき)。


 ちなみに生徒会副会長にして、つかさ会長の保護者ポジでもある。


「年上が好きなんでしょ? 甘えたいでしょ? だったら……ね?」

「なぜ甘え属性で攻められてるんだ俺はあああ!!」


 極めつけ。


「……あの、ユウトさん……班、一緒がいいです……」

 ひょこっと背後から顔を出してきたのは、小動物のような背丈の……


 ロリ先輩(※実年齢は上)・雪野つぐみ。

 幼い見た目と口数の少なさが、逆に破壊力を持つ新勢力。


「あっ、あの……ダメ……ですか……?」

「ダメじゃないけどもおおお!!」


 こうして、俺の修学旅行班決めは最大8人のヒロインによる仁義なき戦いに突入。


 先生:「……風間、お前の班だけ、すごくカオスになる予感しかしないんだが」


「俺もです先生……!!」


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