朝の教室。
いつものように机に座り、平和な1日を祈る。
「ユウト先輩、今日のランチは私と一緒に♡」
「ユウトくん、今日こそ図書室……来るよね……?」
「ご主人様、今朝も紅茶とスコーンをご用意しました。熱々でございます」
無理だ! この空気、どう考えても死亡フラグ!!
しかも、ここにさらなる追い打ちがかかる。
「おーい風間、先生が呼んでたぞー」
「あっ、ああ……ありがとう」
職員室で告げられたのは、修学旅行の班決めについてだった。
先生:「人数合わせの都合で、男子1名だけ女子グループに混ざってもらうことになってな」
先生:「で、風間。お前、女子全員から指名されてるぞ」
「…………は?」
いやいやいや!? それって、修学旅行が、3泊4日のリアルデスゲームに!?
その日の放課後。
俺の目の前に、ヒロインたちが勢揃いしていた。
◆ことの「もちろん先輩は、ことのの隣ですよね……?」(ぴとっ)
◆しずく「旅先で読むの、君の選んだ本がいいな……」(上目遣い)
◆つかさ「先生にはもう申請済みです! これが公式ルートですっ!」(無駄にフットワーク軽い)
さらにここで、新キャラ登場!
「おっすユウト! 修学旅行ってさ、アリじゃね? うちらで行動とか!」
ドカッと俺の肩を叩いてきたのは、褐色肌でスポーティな元気系ギャル・早乙女あかね。
学年は同じだけどクラス違い。最近になって急接近してきた系女子。
「え、なに? 風間って人気者? チッ、やるじゃん」
「いやそういうんじゃなくて……」
「ま、うち的には、ガチで狙ってるから? よろしく」
「うわぁぁぁっ!? 宣戦布告されたあああ!!」
さらに。
「あら、ユウトくん。修学旅行、誰と同じ班なのかしら~?」
教室の入り口に立っていたのは、長身スレンダー、ふわふわした雰囲気のお姉さん系女子・九条さつき(くじょう・さつき)。
ちなみに生徒会副会長にして、つかさ会長の保護者ポジでもある。
「年上が好きなんでしょ? 甘えたいでしょ? だったら……ね?」
「なぜ甘え属性で攻められてるんだ俺はあああ!!」
極めつけ。
「……あの、ユウトさん……班、一緒がいいです……」
ひょこっと背後から顔を出してきたのは、小動物のような背丈の……
ロリ先輩(※実年齢は上)・雪野つぐみ。
幼い見た目と口数の少なさが、逆に破壊力を持つ新勢力。
「あっ、あの……ダメ……ですか……?」
「ダメじゃないけどもおおお!!」
こうして、俺の修学旅行班決めは最大8人のヒロインによる仁義なき戦いに突入。
先生:「……風間、お前の班だけ、すごくカオスになる予感しかしないんだが」
「俺もです先生……!!」