港町の片隅に佇むおでん屋「しのぶ亭」。その看板娘・しのぶちゃんは、ランドセルにリボンをつけた可愛らしい小学3年生。しかし、その実態は反社再生プロジェクトの黒幕であり、冷徹なサイコ社長であった。
「人材リソースとキャッシュフローの最適化が、社会の健全な循環を生むのです」
しのぶちゃんは、無表情のままおでんを煮込みながら呟いた。その手際は、まるで経営戦略を練るかの如く無駄がなかった。
一方、再就職代行事務所では、まゆらと灯が新たなプロジェクトの立ち上げに向けて動き出していた。彼女たちは、既存の再就職制度に疑問を抱き、より人間らしい働き方を模索していた。
「私たちが目指すのは、ただの再就職じゃない。人が人らしく生きられる社会よ」
まゆらの言葉に、灯は力強く頷いた。
しかし、彼女たちの動きは、しのぶちゃんの監視の目を逃れることはできなかった。しのぶちゃんは、ランドセルから拳銃を取り出し、静かに呟いた。
「計画に支障が出る前に、対処が必要ですね」
その夜、しのぶちゃんは、まゆらたちの事務所に現れた。無表情のまま、彼女は言った。
「あなたたちの活動は、社会の秩序を乱す可能性があります。是正が必要です」
まゆらは、しのぶちゃんの言葉に動じることなく答えた。
「私たちは、人が人らしく生きるための道を探しているだけよ」
しのぶちゃんは、一瞬だけ目を細めた。それは、彼女なりの感情の表現だったのかもしれない。
「理解しました。では、あなたたちの動向を注視させていただきます」
そう言い残し、しのぶちゃんは静かに去っていった。
その背中を見送りながら、まゆらは呟いた。
「あの子、ただ者じゃないわね」
灯も頷いた。
「でも、私たちの信じる道を進むしかないですね」
再就職を超える新たなプロジェクトの行方は、まだ見えない。しかし、まゆらと灯の決意は揺るがなかった。
そして、しのぶちゃんの真の目的も、まだ明らかにはなっていない。物語は、さらなる混沌へと進んでいく。