ポーカーフェイスで感情を表に出さず、男にとって都合のいい関係を続ける「ドール」のようなヒロイン・高木かな。そんな彼女が、早川聖斗との出会いを通じて、自身の心の奥底に眠る「寂しさ」や「本気の感情」に気づいていく、大人向けのラブストーリーです 。
「ドール」のように生きてきた高木かなが、最初は割り切った関係だった聖斗の優しさに触れ、だんだんと変わっていきます。三角関係の修羅場を経験しながら、彼女が「心」を取り戻していく過程が美しく、とてもエモーショナルです。
言葉を越えて相手のためを思う行動から、お互いの距離が縮まる感情の動きが繊細に描写され、心の隙間を、少しずつ埋めていくような読後感が、余韻たっぷりに響きます。
感情を抑えながら日々生きている人、距離感のある関係からお互いが心が開いていく過程を描いたラブストーリーが好きな人に、特にお勧めです。読めば、あなたもきっと、ほろ苦くて甘いプリンが食べたくなってしまうことでしょう。