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第6話 図書館への旅

“沈黙の図書館”


翔太はその字を見つめた瞬間、背筋が凍った。これは書かれたものではない。翔太の脳に直接記述された感覚だった。その名前を心の中で唱えた瞬間、彼の周囲の世界がわずかにきしむ。


「「図書館へようこそ。読み手」」


どこからか声なき声が響いた。白い小部屋の形がゆっくりと変形し、やがて一つの裂け目を生む。そこから伸びていたのはーー階段だった。だが、それは物理的なものではない。光と影が合わさってできた視覚的な階段。翔太は躊躇することなく、言葉も音もないその空間を一歩ずつ踏みしめながら彼は降りていく。階段を降りきった先にあったのは灰色の空間だった。霧に包まれ、床も天井もない。だが、そこにあったのは

古びたアーチ

崩れかけたドア

その上に浮かぶようにして刻まれた三文字。


 “ΛΟΓ”


翔太がその扉に手をかけた時、再び声が響いた。


 《言葉を捨てよ。読むために》


これも脳に記述されたものだ。これを繰り返し唱えたら扉がゆっくりと開き始めた。中は暗く静かだった。そしてそこにあったのは本棚だった。棚に並ぶのは文字のない書物。音を出さない語り部。読まれることなく、それでも存在するする知識。


沈黙の図書館ーーそこは、「言葉になる前の世界」を保管する場所だった。


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あとがき

どうもSEVENRIGHTです。

今回は文字数少なくてすみません。

沈黙の図書館には何があるのか?翔太は未だ知られざる世界に入ることになる。


ぜひコメントといいねをよろしくお願いします🙏

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