俺。田口優斗は中学生時代とある女の子と一線を越え、妊娠させ、責任を取らされる事となった。
本当に色々あった。
学生から働き始めいくつもの仕事を掛け持ちし、嫁の尻に敷かれ両方の両親から認められるまで約10年。
息子も中学生となって手がかからなくなり自分も給金や余裕が出来、久々に同窓会に参加した。
当時のメンバーらは俺たちの事を知っていた為皆が皆俺と嫁の登場に湧き質問攻めを食らったがそれも一段落してとある中学時代の友人と話していた。
「お前は結婚して後悔してるか?」
「そりゃ色々後悔してるよ。
若い内に出来たアレコレ全部吹っ飛ばしているからな。
ホント今になってあの時あぁしとけばよかったとか色々考えさせられるよ」
「なるほどなぁ…」
「と言うか西堂はどうなんだよ。
お前年商一億とか聞いたけど結婚しないのか?」
聞けば西堂が気まずそうに視線をずらした。
「あー…結婚ね…」
「なんだ?親にせっつかれたりしてんのか?」
「いや、一代で億越えたのは良いし色んな人から声をかけてもらえるんだけどちょっと手が出ないんだよね」
「手が出ない?
金はあるだろ?」
「だからだよ。
金目当ての奴しか近づいてこない。
俺はB級映画を一緒に見て楽しめる奴って条件だけでいいのにやたらヤバそうなのが集まってくる」
「そんな頭使う事か?
俺が言うとアレだけど恋愛は本能でやっちまえば良いんじゃねぇの?」
「ハハ、僕は君みたいにバカにはなれんよ。
先に結婚しておけばよかったかな」
「いや、先結婚していたらここまで成長できてねぇんじゃねえの?」