病気の影響なのか、もともとなのか筆者は怒りっぽい。そして、三十代男性であり身長百八十センチ、体重百十キロあるので、筆者が怒ると、周囲は畏怖(いふ)してしまう。
だから、なるべく怒らないようにはしたいのだが、どうしても大声を出さないとストレスが解消できない状況に追い込まれる場合が、時としてある。
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また野球観戦の話になってしまう。野球に興味のない読者諸君には申し訳ないが、四森と野球観戦は切っても切り離せない関係にあるのでご容赦願いたい。
ベルーナドーム(いわゆる西武ドーム、西武球場)で、気分を変えてステンレスカウンターという座席で観戦した。
ステンレスカウンターは、テーブルこそあるものの、椅子がないという立ち見の席である。ベルーナドームはスタンドの外周(つまりスタンドの最後列)にこの座席(席はないけど)が用意されており、ちょっと変わった席である。
筆者は、もともと買っていたチケットから座席変更(+200円)して、このチケットを買った。
さて。ここで、筆者の隣に年配の男女が来た。
おやおや。
そして、「ここは風があって涼しいな。スタンドに行きたくなくなっちゃう」などと、その場所のチケットを購入していないのにも関わらず、その場所で観戦を始めた。
筆者が、ライオンズチケットにアクセスして確認したところ、筆者の隣のスペースは販売中になっており、彼女ら彼らは明らかにチケットを持っていないのである。
まず、ベルーナドームのルールでは、「自分のチケットに書かれている座席でしか観戦をしてはならない」というルールが明確に定められている。
そして、ステンレスカウンター自体にも、「チケットを持っていないとこの場所では観戦できない」旨(むね)が書いてある。
ただ、たしかに、その場所は風通しがよく(スタンドは風通しが悪い)、立ち見であることをのぞけば最高のスペースであることは間違いない。
だから、その場所で観戦すること自体を、筆者は黙認しようとした。
ところが、こういうルール違反をする輩(やから)は一つルールを破ると、他にも破ると相場(そうば)が決まっている。
その日は埼玉西武ライオンズ 対 北海道日本ハムファイターズの試合だった。
試合開始前に西武の西口(にしぐち)監督と日ハムの新庄(しんじょう)監督がメンバー表の交換をする。
その際に、男性が「新庄とか松井(西武の前監督)は華があるよな。西口は華がない」などの発言をはじめとする、監督・コーチ、選手に対する誹謗中傷発言を始めた。
これでは、話が変わってくる。
そのスペースのチケットを持っていて誹謗中傷をする、か、そのスペースのチケットを持っていないので申し訳なさそうに観戦するか、このどちらかにしてほしい。
ただ、このことを係員に告げても、ろくな対応をしてくれないのは、筆者、長年野球観戦をしていて分かる。係員は所詮(しょせん)アルバイトであり、余計な揉(も)め事に首をつっこみたくないのだ。
このままでは筆者、ぶち切れてしまうなという直感が働いたため、一時、その場を離れることにした。
スタジアムの外周の外に、大きなビジョンがあり、そのビジョンの前では特にチケットを購入する必要もなく、自由に滞在できる。
筆者は、そこでしばらく過ごし、ビジョンで野球中継を見ながら怒りをやり過ごした。
本当はすぐそこで生で試合観戦できるのだが・・・
筆者が悪いのだろうか?でも、ブチ切れてしまってはどんなに真っ当なことを述べても悪者扱いされてしまう・・・
クールダウン。怒りを冷ますのだ。アンガーマネジメント出来ないと!
そして、日本ハムの選手の3ランホームランを生で見損なった。
で、その男女は、野球でいう「5回」くらいに自分の正規の座席に行った。
ようやく行ったか、と筆者は安堵し、そこから入れ替わり立ち替わり、そのスペースのチケットを持っていないが自分の座席に不満のありそうな観客がそこで一時的に観戦をしていた。
まあ、他の人は、チケット持ってないからなあと申し訳なさそうに観戦していたので筆者も文句は無かった。(くり返しになるが、そのステンレスカウンターでは「そのチケットを持っていないと観戦できません」と明確に注意喚起されている)
筆者、ぶち切れることなく、試合を最後までたのしめた(西武の勝利)。
成長したな、と思う。以前ならブチ切れていた。
アンガーマネジメントが出来るようになったのだ。
筆者も三十余年の人生で学んだのだが、激昂(げきこう)して得はないのだ。どんなに正当なことを述べていても興奮しているという理由で相手にしてもらえない。
まあ、あっちはあっちで彼女ら彼らなりの正義があるのだろう。お互い様だ。
日本国憲法下ではあらゆる価値観が尊重されなければならない。
ただ、正当なチケットを持っていたという点では、それは筆者の方だけだ、と述べたい。それに加えて誹謗中傷とは・・・。
ルール違反、マナー違反に関して、チケットを持っていないか、誹謗中傷か、どちらかにしてほしい。
そして、良識のあるマトモな人はどっちもやっちゃダメ!
まあ、そういう輩(やから)は、注意やアドバイスを受けても、意にも介さないので、ただただ相手にするだけ徒労(とろう)なのだけれど・・・
これだから、戦争はなくならない。同じ母国語を持つ同士で分かり合えないのだから、言葉が違ったらなおさら・・・
はぁ・・・