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■ 話は「地」滞在最終日に戻る ■

 会話をしながらテクテクと歩いてきた四条竜之助と小石川正義は、「地」の北東の塀の

真隅に追いやられた舞踏館と、それを守護するように立地する自警団詰所の前まで来てい

た。

 四条が「川口」から歩いてきた「地」の中では「娘さん」たちが暮らす掘っ立て小屋の

数々の間を埋めるように「お父さま」の肖像画が乱立していたが、詰所と舞踏館にはそう

いった騒々しいものはなく、白い壁と黒い木の明治期の西洋風建築を思わせる清楚な佇ま

いをしていた。


【つづく】

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