■ 入れ替わり ■
俺は、階段をのぼり、二十台のベッドが並んだ部屋にやってきた。
―― ここで、やるのか?……
だが、まあ、いい。やり放題出来るのであれば、これ以上上手い話はないじゃないか。
しかも、一生食うには困らない、と来てる…… 。
「リュウノスケくん。心の準備は?」
小石川とかいう爺さんはここまで昇ることが出来ないから、代わりに沼田とかいう男が
そう聞いてきた。リュウノスケと呼ばれるのにも慣れっこだ。
「いつでも」
俺は胸を弾ませて言った。
―― その男の名前は赤城龍之介(あかぎ・たつのすけ)である。
【つづく】