おっぱいである。女の子のおっぱいが目の前にある。
絶景……まさに絶景であった。
今俺が何をしているのかと言えば、幼馴染み美少女の2人の、生おっぱいを眼前に晒されているのだ。
生おっぱいといってもキャミソール越しだ。
肝心の
「う、おお……こ、これが二人の……」
「にーちゃんじっくり見すぎぃ♡」
「は、恥ずかしい……♡」
そうは言われてもこんなのじっくり見ない手はない。
羞恥に染まった二人の表情は心にグッとくるものがある。
特に
「ほらにーちゃん。見てるだけでいいの?」
タプン、と大容量のおっぱいが揺れて寄せた腕に乗っかる。
俺の理性が崩壊したのは言うまでもない。
◇◇◇
ヤバいヤバいヤバい……。
女の子のおっぱいってこんなにも柔らかいのか。
しかも凄く良い匂いがする。シャンプーと花の香りと、微かな酸っぱい匂い。
体臭という文字で表すにはあまりにもフレグランスだ。
これは体香とでも表記すべきだろう。
瓶詰めにして売り出したら絶対に売れるぞ。
鼻腔をくすぐる体香のかぐわしさは下半身にズクズクとした疼きを与え、俺は自然と鼻息が荒くなってしまった。
その結果、俺は我を忘れるほど興奮してしまい、2人を脱力させるまで色々やってしまった。
ど、どうすりゃいいんだこれ? とりあえずグッタリしている
「ぁ、兄ちゃん……」
「お、おう。なんか大変なことになったな。えっと、これどうしたらいい?」
「と、とりあえずお風呂、かな……」
あまりにも凄い反応を示すもんだから一気に毒気を抜かれ、興奮を通り過ぎて冷静になってしまった。
「今日はもうやめとくか?」
「ふみゃぁ……にーちゃん帰っちゃらめぇ」
トロトロの表情でグッタリとしているにも関わらず、俺の袖を掴んで離そうとしない
「ふへへへぇ……にーちゃんの手、おっきぃ♡」
「ははは。とりあえず一旦休憩にしようか」
「そうだね。せっかくだからご飯たべていって」
「ああ、そうさせてもらうよ」
小休止することになった俺達。
エッチな気分よりもこみ上げてくる笑いの方が勝ってしまい、竿役のお試しは一旦休止となった。
しかしまあ……これって本当に竿役なんだろうか?
◇◇◇
「ふぅ……まさかの展開だよなぁ……」
絶頂と呼ばれる現象でグデングデンになってしまった
俺は一息ついてソファに深く腰掛け、先ほどまでのあり得ないパラダイスに思いを馳せる。
二人ともめちゃくちゃに可愛い俺の幼馴染み。
初めて性的に触った女の子の身体が、まさかあの二人になるなんてな。
しかし俺はあくまで竿役。恋人ではないのだ。
悲しい現実が夢想から俺の意識を引き戻してしまう。
だが逆に言えば、恋人であるなら二人を同時に相手取るなんてあり得なかったのだ。
良い方向で考えようじゃないか。
さて樋口順平よ。自問自答せよ。
俺はこのまま竿役に徹するべきか。それとも……。
いや、よそう。
既に二人はカップルだ。常識的に言えば、俺は二人の温情によって側に居させてもらっているに過ぎない。
いわば、異分子なのだ。調子に乗ってはいかん。
この状況だって一生分の運気を使い果たしてもおかしくないくらいの幸運なのだから。
素直に竿役。そして今まで通りのボディガードに徹しようじゃないか。
「兄ちゃん、
「わざわざ作ってくれるのか? なんか悪いな」
「ううん。シチュー温め直すだけだから」
そういって
広いリビングの隣にあるシステムキッチンはオーブンから何から全部備え付けてある。
中くらいの鍋に入ったシチューを温め始め、冷蔵庫を開ける
ミニスカートから覗く太ももは、すらりとしているのにとても肉付きが良い。
っとイカンイカン。
ヨコシマな思いがカマ首をもたげてムクムクとウェイクアップしそうになる。
「~~♪ んふ~♪」
ご機嫌に鼻歌を歌いながら手早くサラダや付け合わせのパンを準備している
「いいよなぁ、
「できたよー」
「お、おうっ」
「今なにか言った?」
「い、いや、なんでもないよ」
「?」
小首をかしげる姿も可愛い。
この仕草に何人の男が虜になったのだろうな。
危ない危ない。思わず本音を口に出してしまった。
聞こえていないようで安心した……。
「遠慮なく召し上がれ♪」
「おう、頂きますっ」
早速スプーンを手に取ってシチューを口に含む。
クリーミーで濃厚な旨味と香しい香りが一気に五感を刺激し、口の中にパラダイスを作り出す。
「んぅうっ、美味いっ。やっぱり
「えへへ~。今日は隠し味にちょっと良い材料使ってるんだぁ♪ 分かってくれて嬉しいな」
俺は夢中になって、しかしゆっくりと幸せを噛み締めながら
談話しながら
「あ~良い匂いがするぅ。私もお腹空いてきちゃった」
「
「えー、でもこんな良い匂いがしてたら食べたい~」
「太るよぉ。マネージャーさんに怒られても知らないからね」
「いいもん。明日から取り戻すからぁ」
「しょーがないなぁ。ちょっとだけだからね。お替わりも禁止」
「わーい♪
立ち上がって新しいお皿を出しに行く
「ねーねーにーちゃん」
「どうした
文字通り甘えるようにこちらにスリより、手に持ったドライヤーを差し出して上目遣いにおねだりしてくる。
「にーちゃん髪乾かしてぇ♡」
「俺、食後のティータイムを楽しんでるんだけど……」
「えーいいじゃん。ねーお願い♡ もう1回おっぱい触っていいからぁ♡」
「なんですってっ!?」
魅力的過ぎる提案に思わず紅茶を吹きこぼしそうになる。
まさかこんな気楽に言ってくるとは。
恥じらいとかないのかこいつは? 俺は弟か何かと思われているだろうか。
「ま、まじですか……」
「にーちゃん目が血走ってるの必死過ぎてウケるww」
「
「えー、キモいからやっぱなしで~」
「なんてこったいっ!?」
ここに来てまさかのお預けとは……ぶら下げられた餌にまんまと食いつこうとして引っ込められた気分だ。
勝ち誇ったようなどや顔でニヤニヤしてくるのがマジでムカつくな。
「まあいいや。とりあえずドライヤー貸せ。このまま放置して風邪でも引かれたら寝覚めが悪いからな」
とはいえ、精神が子供っぽいことこの上ない
グッと屈辱に耐えてドライヤーの柄を握った。
「わーい♪ にーちゃん好きー♡」
世界一ノリの軽い好きの言葉でも、
スイッチを入れて温風を当て、艶やかな黒髪を乾かしていく。
シャンプーと石けんの良い香りがふわりと立ち上って鼻腔をくすぐる。
華奢な肩の下には重たい脂肪の塊がぶら下がっており、背丈の高低差から胴体からはみ出すほどの大ボリュームが視界に映った。
温風を出してイオンドライヤーを髪に当てながら、先ほど揉みしだいていたおっぱいに視線がいってしまう。
「デカい……」
「あ~、にーちゃんからエッチな視線を感じる~♪ おっぱいガン見してるなぁ♡」
「な、なんのことかな?」
しまった。思わず声に出してしまった。
なんてことだ。妹的幼馴染みのおっぱいに目が行って、あまつさえガン見してあげくに感想を声に出してしまうとは……。
これはマジでキモいと言われても仕方ないぞ。後ろを向いたままなのになんで分かるんだこいつはっ。
戦慄を覚えながら恐る恐る
「そんなにおっぱい触りたかったのかぁ。にーちゃんのド・ス・ケ・ベぇ♡」
「ぐぬぬっ……。強く否定できねぇ」
「ヌシシシ~♪ 心配しなくても今度のエッチの時に触らせてあげるよぉ」
「マジですかっ」
「食いつき早ッ♡ キモいって♪」
これほど聞き心地のよいキモいの言葉があるだろうか。
「しょーがないなぁ。えい♡」
「ほむっ!?」
突然立ち上がった
パジャマのコットン生地の柔らかさの向こうに感じるフンワリマシュマロの感触が顔面を包んでくる。
「おっふっ♡ や、柔らかい……」
直接揉み込むのとはひと味違った心地良い柔らかさが石けんの良い香りと共に五感を包んでくれる。
「あ、手で触るのは禁止だよ。今日はもう顔だけだからねっ」
思わずおっぱいに添えそうになった手の甲をペチンッと叩かれ、彷徨ったあげくにへなへなと床に落ちる。
「もーしょーがないなぁ♡ そんな捨てられたワンコみたいな顔しないでよぉ。私が悪者みたいじゃん。ほら、これで我慢してね」
ちゅ♡
ふわっと離れたおっぱいの感触のすぐ後に、頬に触れた微かに濡れた感触。
少しだけ頬に赤みが差し、はにかんで照れくさそうな表情の
ほっぺにちゅーなんて小学生にするようなものなのに、俺の心は歓喜で満たされていく。
「ニシシ……にーちゃんまたキモい童貞顔になってるよ♡」
またすぐに落とされた。だけど全然悪い気がしない俺は大概チョロい男だったらしい。
「あーっ、
しばらく
「すまんすまん」
恋人を差し置いてイチャイチャしたのが許せないのだろう。
拗ねるような態度で
きっとこの後、俺は叱責されて
そう思っていた
「おっぱい触りたいなら私に言ってくれればいいのに。私は駆け引きしないでいいからっ」
「はい?」
思っていた論点と違っていた。
「え?
「え?」
「え?」
どうにも話が噛み合わないなぁ。
「まーまーっ! ご飯たべたら続きしよーよ」
「え、まだやるのか?」
「嫌なの?」
「そんな訳あるか。でももう遅いし、明日は学校だしな」
エッチしまくって寝坊とか洒落にならんぞ。あと俺の理性がもたん。
俺は間もなく卒業だし、もう内申点とか気にする時期ではないが、二人はまだ皆勤賞だ。一年生でそんなの棒に振っては勿体無い。
「うーん、でも兄ちゃんの言うことも一理あるよ。とりあえず私達のお願いは受け入れてくれたし、日曜日にゆっくり続きしよ」
「まあそうだよねぇ。三人でのエッチだし、どんなことするか事前にプランニングしておいた方が楽しいかも。と言うわけでにーちゃん」
「あん?」
「今度の日曜日に三人でデートしよーよ!」
「いいぞ。どこに行きたい?」
「えー。それは男の人がエスコートしてほしーなぁ♡」
「兄ちゃん私も」
甘える猫なで声ですり寄る二人が押し付けてくるおっぱいの魔力には勝てない。
俺は苦言を呈する思いとは裏腹に肯定の意を示していた。
おっぱいには勝てんかったんや……。