チチチチ……チュンチュンチュン……。
遠くの方から聞こえる小鳥のさえずり。それが示すところはつまり……。
朝である。朝チュンである。
俺は童貞を卒業した。しかも幼馴染みの美少女二人と同時にである。
世界広しといえども、これほど希有な卒業式を経験した男はさほど多くはなかろうよ。
なんてことで調子に乗ってしまいそうになる器の小さい俺は、フワフワとした夢見心地でまどろみのなか目覚めに向かっていた。
クラスメートの中には既に卒業の儀式を終えた者達もそれなりにいると思われ、顔には出さないが密かに羨ましく思っていたものだ。
だが今日から俺もそっち側に仲間入りである。
もう一度言うが、世界広しといえども美少女幼馴染み二人同時に相手取って童貞を卒業した男子高校生は俺以外おるまいて。
しかも二人は処女。どうやら末期的とも言えるほど処女厨だったらしい俺にとってこれ以上に嬉しいご褒美があっただろうか。
自分の好きだった女の子が自分以外の男に誰も触れられて居ないと宣言する優越感は、言葉という曖昧な概念では完全に表現することは不可能と言える。
「にゅむにゅむ~~♪」
「くみゅくみゅ~~♪」
それよりも先ほどから下半身に感じる奇妙な感覚は一体なんだろうか。
「にーちゃんのにーちゃん朝からにーちゃんだみょ♡」
「
「おっふっ!? こ、これはっ!?」
「あ、起きた?」
「朝から元気だね♪」
「お、おはよう二人とも……何してんの? いや、見りゃ分かるけど」
「「朝のご挨拶~~♪」」
具体的に何にとは言わないが、二人のおはようは素晴らしかった。
「お、おうっ、なんとも素晴らしいご挨拶だ」
爽やかな朝の光が差し込むベッドルームで、シーツを盛り上げている二人の形の良いお尻が何とも言えぬシルエットを作り出している。
こちらからは何も頼んでいないのに、二人は率先して選択する。
なんというか、極まってる。もう普通にハーレムみたいな展開であるが、二人がレズであることを示す証拠は見ていると分かる。
時折視線を交わし合っているのが分かるのだ。
唇を時折"チュ♡"と合わせて口付けをかわしている時の表情は完全に二人の思いが通じ合っている。
そのまま二人の世界に入ってしまいそうなほど見つめ合っていても、その手はしっかりと行為を続けている。
彼女達の世界は『二人で俺を好きになる』というものに帰結しているからだ。
そうやって時折二人でラブラブキッスをしつつ、また俺の所に戻ってきてくれる。
なんとも尊い光景だ。
百合に挟まれるという夢のような光景が現実であることを知らせてくれる貴重な仕草だろう。
◇◇◇
濃厚な"朝のご挨拶"を終え、ドロドロになってしまった二人を洗面所に運んで朝のシャワーを浴びる。
バスルームでも甘えようとする
夕べはグデグデになるまで抱き潰したと言うのに翌朝にはしっかり起きて朝食を準備してくれていた。
「ふぃ~、一晩経ってもまだにーちゃんが入ってる気がする~」
「私も~♡」
「君たち学校ではそういうこと言わないようにね」
俺が社会的に死ぬ。只でさえ美少女幼馴染み二人を独占していると学校の男共に揶揄されているというのに。
そう、
顔は可愛いし、人当たりも良い。
SNSで人気のインフルエンサーでありテレビにも出演したことがある。
ほとんど芸能人みたいな扱いだ。
おまけに二人とも胸が超デカい。グラビアアイドルも裸足で逃げ出すプロポーションの良さなので男達が放っておくわけがなかった。
二人は別にグラビアアイドルでもなんでもないのでスリーサイズを公表したりはしてない。
そのため彼女達の詳細なサイズを知っている男は俺だけということになる。
ちょっと興奮した。
「あ、にーちゃんエッチなこと考えてる~。もしかしておっぱいのこと?」
こいつはエスパーか何かなのだろうか。どうしてバレるんだろう。
「な、何のことかな?」
「兄ちゃん、学校休む? それともおっぱい揉む?」
「リアルにそのセリフ聞くことになるとは思わなんだ」
玄関のたたきでおっぱいを押し付けられると本当に学校休んで揉みしだきたくなるので自重しなければ。
「にーちゃん学校までおんぶして~」
「
まるで子供のように甘える
二人の恋人達と楽しく登校しながら、残り少ない学校生活のスタートを切るのだった。
そして来週末に控えた卒業旅行。
そこに至り、俺は2人の計画がまだまだ途中段階だった事を思い知らされる事になる。
百合に挟まれたハーレム生活。
ワクワクが止まらんぜ。
~第1章 完~
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次回から新章突入! 新たな百合カップルが挟まれにやってきます(笑)
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