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第33話 月夜に濡れた処女(おとめ) その2


「み、みたって」


 姉ちゃんとの密事を覗いてしまった事を伝え、2人がどういう付き合いなのか、それを確かめようと思った。


「あ、で、でも見たって言うより、正確にいえば聞いたっていうのが正しいかな……。ほら、一緒に夕飯作りにウチに来ただろ? あんときさ、財布を家に忘れて取りに帰ったんだ……その時に」


「あっああっ、ああああっ!! そんなぁ、あんなところ見られちゃったなんてぇっ!」


「いやでもっ、布団かぶってたし、二人の姿は直接は見えなかったっていうか……」



「で、でもぉ……私と花恋かれんちゃんが、シテる所は、見たんだよね……」


「う、うん。ごめん……」


「そっかぁ……できれば、知られたくなかったなぁ。他の人となんて、知られたくなかったよ」


「姉ちゃんに強引にファーストキスを奪われたって、言ってたよな?」


「そこも聞いてたんだ……。うん」


小春こはるは、その……レズ、だったのか? それとも、レズになった?」


「んとね……もともとそうじゃなかった。でも、花恋かれんちゃんにね、告白されたの……好きだって」


「そうか、姉ちゃんはガチレズの人だったのか……長いこと姉弟やってても知らんかった」


「あはは……。でも、多分それは少し違う、かな」

「え?」


花恋かれんちゃん、元々普通だったと思う。でも……」


「でも?」


「うん……ごめん、やっぱりこれは私の口から言うべきじゃないかも」


「どういうこと? いや、その口ぶりだと……もしかして、姉ちゃんと小春こはるは、有紗ありさ希良里きらりと同じ事したってこと?」


「うん。でも、その答えは待って欲しい。花恋かれんちゃんの口から話を聞いてからじゃないと言わない方が良い気がする」


「なるほど……分かった。正直、事の次第は気になるけど、今は小春こはると気持ちが通じ合っただけで十分だよ」


「ありがとう……順平ちゃん……お願い、まだ言わなきゃいけない事は沢山あるけど、今は……」


「分かった。もう何も言うな……」


 俺はもう一度小春こはるに口づける。


「んっ、じゅんぺい、ちゃん、もっとぉ……」


 俺達は自然と身体をこすり合う。

 唇同士で気持ちを確かめ合って、どんどん身体を密着させていく。


「順平ちゃん……、私、処女だから……順平ちゃんに捧げたい」


「嬉しいよ小春こはる……」


「キスは、花恋かれんちゃんに盗られちゃったけど、処女だけは守ったの。花恋かれんちゃんの事は好きだけど、やっぱり初めては順平ちゃんが良かった」


「その気持ちだけで十分だよ。過去より、未来だ。小春こはるの初めて、残り全部俺がもらっていいか?」


「うん♡ あげる。順平ちゃんに全部あげる……」


「布団、行こうか」


「うん♡」


「よっとっ」

「ひゃっ♡ じゅ、順平ちゃんっ」


 小春こはるの身体を抱え上げてお姫様抱っこをして立ち上がる。

 驚いた小春こはるは俺にしがみ付いてくる。


「お、重いでしょ」

「そんな訳あるか。軽くて羽根みたいだ」

「そ、それは言い過ぎぃっ」


「ははは。こういう時の為に鍛えてるんだから」

「ふぁ……お姫様抱っこって、凄く、ドキドキする……順平ちゃん……やっぱり格好いい」


「男冥利に尽きるね。小春こはる、好きだ……。これからいっぱいお前の事、愛したい……今まで伝えられてこなかった気持ちも全部含めて、小春こはるのことを愛したいんだ」


「嬉しい……本当に夢みたい……私、頑張るから」

「うん?」


有紗ありさちゃんや希良里きらりちゃん達と同じくらい、順平ちゃんのこと気持ち良くしてあげたい」


「え、もしかして、俺達のこと何か聞いてる?」

「うん。えへへ♡ 実は今日は希良里きらりちゃんが」


「やっぱりそうだったのか。もしかして、そのうち全員でエッチしようとか誘われてる」


「うん。実はそう……。希良里きらりちゃんに誘われて……」


「そっかぁ……相当前から計画してたのかな、希良里きらり達は……」


「それも、あとでちゃんとお話ししなきゃね。えっと、明日合流するんでしょ?」


「ああ。せっかくだ。四人で思い出作りしよう」


「うん♡」


 俺は小春こはるを布団に横たえ、上から覆い被さる。



「いよいよなんだ……。あの、私、さっきも言ったけど男の人とは初めてだから……それに、花恋かれんちゃんとは、いつも私の方から触ってるだけで、花恋かれんちゃんからは触らないって約束でしてたの。だからっ……私、ちゃんと処女だからっ」


「分かってる。小春こはるの初めてが姉ちゃんっていうのは、ちょっとアレな感じがするけどな……あれ? ってことは希良里きらり達の計画、やっぱり姉ちゃんも一枚噛んでる?」


「んと……首謀者、かな……」


「マジか……それも後でじっくり聞きたいところだ。まあいい。もうこの話はやめよう。今は小春こはるの全部が欲しい」


「うん……全部、捧げます♡」


 まだまだ聞かないといけない事は沢山ありそうだ。

 だけど、今は小春こはるのことを目一杯愛そうと誓いを立てて、俺は彼女に覆い被さって口付けをした。



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