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第37話 朝日が照らす初夜の目覚め


 凄かった。小春こはるは本当に凄かった。

 想像の遙か上を行く淫靡な空気感は俺の心を掻き立て、興奮を強めてくれた。


 ある意味で、小春こはるが童貞の卒業相手でなくて良かった気がした。


 こんなの相手にしたら翻弄されてばかりで感じさせてあげることができないまま果ててしまっていただろう。


 抱き締めた身体は女の柔らかさを十全に伝え、ぬくもりと快感の熱量を同時に伝えてくれた。


 背の高い小春こはるは、よりしっかりとその柔らかさを堪能することができる。


 有紗や希良里では味わえない、ある意味で小春こはる特有の気持ち良さだ。


「順平ちゃん♡ 好きぃ、好きぃ、愛してるのぉ♡」

「俺もだ。愛してる、小春こはる


「嬉しい♡ もう大好きなのぉ♡ 大好きで大好きでぇ♡ 死んじゃいそうなくらい幸せぇ♡」


「これからもっと幸せになるんだから。そんなこと言ってたらもたないぜ?」


「らってぇ……んぅ♡ あはぁ……ん♡」


「なあ小春こはる

「なぁ、にぃ?」


「内緒の話だぜ……」

「?」


 不思議そうな顔をして俺の真意を測りかねる小春こはる

 その次に続く言葉で、完全に破顔して涙を溢れさせた。


「愛してるって言ったの……お前が1番最初だ」


◇◇◇


「すぅ、すぅ……」


 思いを通じ合わせた初夜が開け、小春こはるは俺の隣で小さな寝息を立てている。


 その寝顔たるや、なんと幸せそうであることか。

 小春こはるの寝顔は幾度か見たことがある。


 有紗ありさ希良里きらり達と共に我が家で勉強会を開いた時に居眠りをした時だ。


 あの頃の彼女と比べると、俺の前で全てを曝け出し、長い年月願ってやまなかった想いの成就が為されて幸せいっぱいといった感じだ。


「ん……ふみゅ……ふぁ」

「おはよう小春こはる。ヨダレ垂れてるぞ」

「ふみゃっ……はぅ……恥ずかしい……おはよう順平ちゃん……」



 目を覚ました小春こはるだったがまだ寝ぼけているようだ。

 甘えるように俺の胸板にスリスリと頭を擦りつけてくる。


「ふへへへ……じゅんぺえちゃん、大好きぃ♡ 愛してる♡」

「愛してるよ小春こはる……」

「嬉しいぃ♡ 順平ちゃん……もっと言ってぇ♡ 今日だけだからぁ……」



 俺は小春こはると寝る直前に話し合った。

 愛してるって伝えたのは小春こはるだけ。でもそれはタイミングの話であって、有紗ありさ希良里きらりにも同じ感情を抱いていると。


 小春こはるはそこはちゃんと理解してると言ってくれた。


 調子に乗るわけにはいかないけれど、小春こはるの心の広さというか覚悟の強さには頭が下がる思いだった。


 俺の「愛してる」を独占できるのは今日だけだから、今夜だけは独占させてと懇願された。


 それを断る理由などありはしない。

 俺達は情熱的に何度も愛し合い、力尽きて眠るまで俺は小春こはるを愛していると伝え続けた。


 色んな角度に曲がる小春こはるの身体は、俺の尽きることない性欲に全て応えてくれる。


 いや、むしろ小春こはるの性欲の凄まじさに圧倒されていたのは俺だった。


 これまで抑圧していた思いの丈を全てぶつけるかの如く、小春こはるは精根尽き果てるまで俺を求め続けたのだ。


 何度も何度も求め合って、ドロドロになった身体を温泉で洗い流しながらも、そこで再び求め合った。

奉仕もどんどん上手くなり、吸収と上達の異常な速度は目を見張るほど。


 途中からすっかり忘れていた「姉ちゃんから寝取る」プレイも興奮の助けとなって、俺達は夜中の三時を回った頃にようやく眠りについたのだ。



 そこら辺の詳しい話も是非詳細に語りたいほど濃厚なエロスに満ちた時間であったのだが……。


 まあそこら辺はいずれ機会があれば過去語りとして話そうと思う。



「そろそろおきようか。せっかくだから朝風呂いかない?」

「うん、いく♡ 順平ちゃん……ん♡」


 目を閉じて何かをおねだりしてくる小春こはるに、お望み通りの口づけを送る。


 嬉しそうに吐息を漏らす彼女の色っぽい仕草に朝から盛ってしまうところだ。


 素っ裸のまま抱き締め合って眠りについた俺達はそのまま起き上がって朝の温泉に浸かって眠気を覚ます。


 時間はもうすぐ朝ご飯の時間なのでもう一回盛り上がりそうになるのを二人で我慢するってなシチュがおかしくて二人で笑った。


 朝ご飯の時間も二人で夫婦のように過ごした。


 仲居さんには遠慮してもらい、率先してご飯をよそったり魚の骨を取ったりしてくれた。


 魚の骨くらいは自分で取れるのだが、小春こはるが頼んで欲しそうにジッと俺の西京焼きを見つめているので、皿ごと渡した。


「はい、順平ちゃん♡」

「おう、サンキュ」


 おかずを摘まみながらご飯を掻っ込む俺をジッと見つめる小春こはる


 何事かと聞いてみたら、恥ずかしそうに座布団から身を乗り出す。


「あの、折り入ってお願いがあります……」

「どうした改めって……?」


 俺達の関係に遠慮なんてすることはない。いったいどんな要求をされるのか身構えたが、それはなんとも可愛らしい要求だった。


「えっと【はい、あ~んして】って、やらせてもらって良いでしょうか?」


「ぶふっ!?」


 何事かと思えばそんな事か。幾らでもウエルカムである。

 真剣な表情で言うからよほどの事かと思っただけにおかしくて笑ってしまった。


「えっ、えっ!? だ、ダメだった?」

「いやいや、全然ダメじゃないよ。でも改めてそんな丁寧に頼まなくても普通に言ってくれれば良かったのに」


「だ、だってっ」


「じゃあ頼むよ小春こはる。食べさせてくれ」


「う、うん……じゃあ、はい、あーんして」


 そんな感じで俺と小春こはるは終始ラブラブであった。


 さて、今日は有紗ありさ希良里きらりが合流して引き続き観光地を巡る予定だ。


 宿はまた別の場所を利用する予定で、インフルエンサーの稼ぎで1番良い宿を取ったと言っていた。


 俺達は時間いっぱいまで二人でラブラブしながらチェックアウトの時間を待った。



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